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日本国憲法第七十三条

内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一  法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二  外交関係を処理すること。
三  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四  法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五  予算を作成して国会に提出すること。
六  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

 「俺は嫌な奴」というのは言い訳にしか過ぎなくて、嫌な奴であることにより自分が損をしたり被害を受けるのは仕方ないが、それによって誰かを傷付けるのは違う、と思う。
自分で言うのもなんだが、私は感情や思いを言語化することに長けている。故に簡単に人を傷付けてしまえることを知っているし、それで何度か後悔もしてきた。だから、言葉を吐き出す前に一度立ち止まり検閲する。でないと安易に排出したその言葉で相手を殺してしまう可能性があるから。

「俺は超絶嫌な奴なので」と言われたとき、本質を見抜いた気がした。この人は自分のことを嫌な奴だとは思っていない。ただ、人を傷付けている自覚がないだけの人だと思った。
当然私は神でも仏でもない。誰かを操ろうとか、うまく使おうとか、そんなことは思わない。ただ、ある程度の客観性を持っているし、割り切り方も知っている。別にどうでも良い人ならいいのだ。だけど、私はこの人のことがどうしようもなく好きで、離れられない。

一緒にいる時間が長くなってくると、必然的に相手のことが分かってくる。その上でやっぱり一緒にいたいと思うのは、ありきたりな表現で恥ずかしいが好きになるのに理由はないということなのだろう。
好きだから一緒にいたい、一緒にいるのが好き、なんでも良いが、彼の所謂“嫌な部分”との付き合い方も分かってきた。いずれ私が「本当に嫌な人ですね」と言う日が来るかは分からないが、私も根本的には嫌な人間なのでトントンだろう。
嫌な人間だけど、嫌な人間にはなりたくないという部分では似ているのかもしれない。

ただ無闇矢鱈と傷付けられてばかりでも困るため、ちゃんと「何でそういうことを言うかな」とは伝えるようになった。プライドは高いが頭の悪い人ではないので、感情的にならずきちんと言語のやりとりで解決に向かうことはできる。まあいいかと収めても良いが、これからも長い付き合いになる、いや、なりたいという自分自身の希望を込めて極力我慢はしないようにしている。

連休中は割と時間があって、やらなければいけない仕事を端から処理することができた。長期的な仕事も多いため、完全燃焼とまではいかないがそれなりに清々しい気分ではある。
小田急の地下で惣菜を買い、コンビニでたらふく酒を買った。ロング缶を買うのが当たり前になったのは完全に彼のせいだ。だけど栄養バランスなど一つも考えない、欲求のまま購入したものたちを食べて飲んでいる夜は、ずっとこの時間が続けばいいのにと思う。

「俺は嫌な奴なので」という言葉に、どんな意味が含まれているか、そして私がその本当の意味をどれだけ察知しているか、きっと彼は分かっている。
そして、私の言う「何もできない人間なので」という言葉に含まれる意味も彼は知っていることを、私も分かっている。

嫌な奴と何もできない奴、そして互いに面倒臭い奴。今日もアホみたいに酒を飲む。

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