見出し画像

日本国憲法第一条

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

別に特別な思想がある訳でも、自分が生まれ育ったこの国に特別な愛着がある訳でもない。数字が続いているものなら、富嶽三十六景でも東海道五十三次でも良かったのかもしれない。


今日は仕事終わりに久し振りに会う人と飲みに行った。職場の人に「今日何か雰囲気違う」と言われたのはそのせいだ。普段履かないヒールのブーツと普段引かないアイライン。だってちょっとでも可愛いと思われたいもの。そんな相手だもの。

私の好きはいつまでも一方通行で伝わることもないし伝えることもない。毎年誕生日にLINEを送って満足しているだけだ。
そんな人と、一緒に飲みに行く機会はそうそう訪れない。好きという感情が分からないなんていつも嘯いているけれど、「会いたいです」と送るのに緊張するのは多分やっぱり好きだからだ。

飲んでいたというのもある。緊張を誤魔化すためでもある。だけど、途中で「喋りすぎている」と気付いた時にはもう手遅れだった。
喋りすぎているだけならまだ良い。完全に「意味の分からないこと」をノンストップで話し続け、歯止めが効かなくなっていた。

だけど、そんな中で一つだけ得るものがあった。

前段で「noteを書き続けている」という話をしており、別の話題の中で私が憲法25条の話を挙げた。ただの例え話のつもりだったが、それに思いの外食いついてくれた。
そこから話はとんとん拍子に続き、「noteで一日一憲法とかやってみたら?」という流れに。無理に自分の思想と結びつけなくてもいい。ただ、日常の風景と「今日の憲法」を並べ、得意のこじつけで文章を構成していく。

そもそも憲法ってなに?何条あるんだっけ?
そんなレベルなのに、大いにアルコール成分を含んだしょうもない話題なのに、あの人が言ったから、彼が食いついてくれたから、そんな理由で始めることにした。


天皇は権力を持たない。あくまで権利を有する国民のシンボル。そんなところ?
絶対に手の届かないところにいるのに、都合良く誕生日だけは祝ってちゃっかりお休みを頂いている。
天皇制である我が国に感謝するのは、恐らく一年でこの日だけだ。批判も賛同もしない。天皇が権力を持たないのと同じように、私もこの国に生まれた限りはその制度に則り、象徴としての天皇の存在を自らどうこうしようという気もさらさらない。

極端に言うと、ただそこに「在り続ける」というのを認識しているだけだ。


好きな人と会い続けたい。一緒に飲みに行き続けたい。誕生日を祝い続けたい。
残念ながら彼の誕生日は祝日ではないが、私の中で「在り続ける」だけの人だから、関係性も距離感も変わることはない。
「無理矢理こじつけるのもあり」なんて笑いながら話してはいたものの、まさか自分と天皇をリンクさせられるとは思っていなかっただろうな。なんかすみません!
だけど、何もない日常の中で今日は特別だったもので。その出来事とこじつける以外方法がなかったもので。

さて最後まで続くかな。途中で『虎舞竜 ロード全14章』に変わっていたらお察しください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?