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日本国憲法第四十一条

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第10条から始まった第三章が終わり、今日から第四章「国会」がスタート。ますます頭を悩ませるテーマだが、元々テーマなどあってないようなもの。ずっと適当に書き連ねていたし、まあこれまで通りスローペースでいきたいと思う。

美しい文章を書きたいと、常々思う。
人の容姿でも、美術品でもない、この「言葉」という曖昧なものだけを使って価値のあるものを生み出そうとしている。いや、価値の有無ではないな。お金にならなくても、誰に認められなくても、後で読み返したときに「結構良いじゃん」と思えるくらいのものを書ければと思う。
フォローしている方のnoteを読むと、じんわりとじわじわと、とても良いと心底感じる。この人にしか書けない、唯一の言葉。唯一の文章。美しく魅力的で、抱きしめたくなるほど愛おしい。

誰に認められなくても、とは書いたが、贅沢だけどやっぱり誰かに良いと思ってもらいたいんだな、きっと。


パンパンのリュックの中には、勉強道具と革ジャンが入っている。
初めて訪れた彼の家は生活感と彼の匂いで溢れていた。自宅で勉強できないと嘆いていたら、せっかくの休日なのに勉強場所として彼の部屋を提供してくれた。
ホットカーペットが敷かれたその部屋は、勉強より昼寝が捗って仕方なかった。他人の家でアホみたいにゴロゴロしてしまった。

相対的に見れば若くて小さい彼女だが、もう28歳のいい大人で身長も日本人の平均より5センチくらい高い。すっぴんでくたびれたスウェットを着て、ダラダラと勉強しているだけの私を、それでも時々覗きに来て愛でてくれた。

「これ着る?」と突然革ジャンを取り出してきた。太って着られなくなったから、と言っていたが恐らく私より華奢な肩幅の持ち主なため、私にも着られると判断したのだろう。当然私にはやや大きかったが、合法的に彼の持ち物を手にできる機会などそうない。ありがたく譲り受けることにした。


着る服も、生活環境も、何一つ拘りなどない。
服の選択など“サイズが合う”“清潔感がある”くらいしか基準がないし、部屋だって生活できる程度に片付いていれば問題ない。
私の拘りといったら、この面倒な思想や捻くれた倫理観や理論で固められた主張のみで。これが一番厄介かも知れないが、別に他人に強要するものでもないから自分の中に押し留めていればそれで良い。

他人と生活することなど考えてもいなかったし、できる気もしなかったけれど、きっと流されるまま彼の生活に従っていけるような気がしている。
同棲も結婚もNGワードではないことが分かり、「お互いもういい歳」を言い訳にちゃんとこれからのことを考えたいと思った。私の全てを決めてくれて構わない。あの部屋は私の立法機関に、などと無理矢理繋げてみる。




革ジャンだけでなく、合法的に彼の部屋の鍵も手にした。これでズブズブまっしぐらだ。
明日でテストも最終日。一日以上振りに帰ってきた無機質な我が家で、何とか振り絞って勉強する。
冒頭に書いた“美しい文章”はどこへやら。ただ幸せの発散場所と化したこの場所を、どうか不快に思わないで頂きたい。

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