見出し画像

日本国憲法第三十二条

何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

間もなく11月も終わり、いよいよ年末の様相を呈してきた。前まで割とマイペースに行っていた仕事も何だかバタバタし始め、約3週間後には定期試験も控えており、体調を崩さないことを本気で考えないと危ない時期になってきた。それでなくてもコロナの恐怖やインフルエンザや風邪の流行も予想でき、不可抗力でやられることも十分あり得る。
毎年立てる目標の中に、ここ数年は「風邪を引かない」を第一優先として据え置いている。それもあってか、「ちょっと喉痛い」「ちょっと頭痛い」くらいは多めに見るとしても「完全に風邪」と認識したのはいつだったか記憶にないくらいだ。


風邪を異常に恐れるあまり、お茶を飲むのと同じ感覚で葛根湯を飲みまくっている。完全に母親の影響ではあるが、ちょっとでも違和感を感じたら即葛根湯。お湯を沸かして粉末を溶き、カブカブ飲む。
普段から食生活はそんなに悪くないと思うし、ちゃんと寝るし、身体も強いから風邪を引かないのは葛根湯のお陰だけでは決してないと思うけれど、念には念を。
「大人になってから風邪を引くのは恥ずかしい」と思っている。季節や体調、環境によっては仕方ないとも思うけれど、定期的に風邪を引くような大人は見ていて恥ずかしい。大抵生活がちゃんとしていない人だし、しかもそれを露わにしてしまっている。
「ちゃんとしろ!」と喝を入れたくなるのは、その人を思ってではなく自分に移されたくない一心。



このまま風邪の話をしていてもしょうがないので、そろそろ憲法の話を。
今までの人生で裁判に関わったことはないし、きっとこれからもないのだろうと思う。人生において絶対はないから、もしかしたら私も誰かと争うことがあるかも知れないけれど。

角田光代の「坂の途中の家」という小説がある。これを読んだのはいつだったか忘れたが、これまで読んだ本の中で、最も胸が苦しくなった本の一冊だった。
小説の軸に裁判員制度があり、裁判員に選ばれた主婦が主人公。
悲しいとか、辛いとか、そういう感情は何度も掻き立てられてきたが、この「坂の途中の家」は本気で声を出してしまいそうになるくらい、本を閉じて叩きつけたくなるくらい、理不尽で腹が立って苦しくてしんどかった。この感情を、どこへ持っていったら良いのだろうと割と本気で悩んだりもした。

映画を観てもドラマを観てもすぐボロボロ泣いてしまうくらい感情移入しやすいタイプで、人目を憚る余裕などないくらい泣いてしまう。
本も同様で、電車や喫茶店で読んでいても馬鹿みたいに泣いてしまうことがよくある。自分に降りかかることに対しては大して動じないくせに、共感性が強いがあまり周りからの影響をもろに食らってしまう。恥ずかしいより、読み続けることを優先してしまい、もういいやと思いながら公共の場で号泣する。




泣ける本と良い本は必ずしもイコールではないとは思う。良い本の基準なんて人それぞれだと思うから、おすすめの本教えてよ、と言われても困ってしまう。だけど、もし「泣ける本教えて」と言われたら何冊か教えることはできる。
まずはハリーポッター。ベタ中のベタだけど、全巻読んだことのない人は今更だけどチャレンジして欲しい。これは泣きすぎて全体力奪われる可能性ありです。

葛根湯飲みながら、暖かい部屋で本を読みながら号泣する冬もなかなか良いじゃありませんか。どうか風邪を引かないように、大人のみなさん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?