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season 1

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様々な背景を持つ複数人でそれぞれ綴る公開日記/エッセイ。 同じアパートに暮らす住人のように、交わりそうで交わらなさそうなそれぞれの日常。 (第1期は7〜9月)
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#オオタミユキ

[第1期]書き手紹介

様々な背景を持つ複数人でそれぞれ綴る公開日記/エッセイ。アパートに暮らす住人たちの交わりそうで交わらなさそうな、それぞれの日常。 (第1期は7〜9月) re デザイナー IT企業のインハウスデザイナー。UI/UX・グラフィック・プロダクトのデザインやマネジメント・データ分析・社長のためのバンド奉公など仕事の幅が広すぎて何もわからなくなってきた。デカい水を見て煙草を吸うことと無防備な時間帯に人と話すことと水色と紫色がすき。ゴキブリ以外は多分食べれる。 Instagram

風が吹いたら | オオタミユキ

8月も終わりの日 家から出た瞬間に「秋の始まりがきた」と直感した。吹いた風が少しだけひんやりとしていたからなのか季節の匂いが変わったからなのか 私の身体全体が季節の変化を捉えた瞬間。 次の瞬間に思ったのは 「散歩に行かねば…!」 そう。夏や雨の日を除いて、てくてく目的地を決めずに散歩するのが趣味。なにかしらの趣味の欄に“散歩”と書く人間に面白みは感じられないよな〜と思いつつ、実際に趣味だから。と言い訳しながら書くくらいには歩くことは好き。 少し先にはなるけど秋から冬の狭

とある休日について | オオタミユキ

「次の休日は何をしようか」 と考えてる時間が一番幸せを感じるのかもしれない。あれこれ考えるけど、何も予定を入れない日を作るのが私の目標でもある。 ただひたすらにベッドの上で過ごすのも良い。 朝からお風呂に浸るのも最高。体を拭いたらジュースを1杯! 最近は歯科病院に通っている。 億劫で、メンテナンスを怠っていることを怒られるのが怖くて長年見てみないふりをしていた歯。いざ通ってみると健康志向になり楽しい。 なんなら人も紹介してみた。極端な人間だ。麻酔でフニフニになった唇が気

嫌いという感情について | オオタミユキ

小さい時から感情のはっきりした性格で よく笑い、よく泣き、よく怒る子だった。 「嫌いなものは嫌いだ」と言ってよく親を困らせていたと思う。なんて手間のかかる子だったんだろう、と申し訳なく思う程に。 きっと私は好きより嫌いがはっきりしている。 大体のことを好意的に受け入れるので”好き”が曖昧だとも言える。 おいしい、たのしい、心地が良い… ポジティブな感情のハードルがとにかく低い。 何をしてたって大体は「しあわせだな」と思っている。布団に入り、いつ寝ても良い状態に出来

身になるもの | オオタミユキ

「趣味ってなんですか」 わたしはこの質問にいつも戸惑う。 趣味という趣味が思いつかないから。 陶芸を、映画鑑賞を、お菓子作りを、 趣味ということができる人生がいいな。 これと言えるほどではないけれど 日常的に息抜きとしていることは料理だ。 特別ではない、ただ自分が食べるためだけのごはん。何でもいい。その開放感が不思議とやる気を育ててくれる。 元々、料理が好きなわけではない。 21歳で実家を出てから25歳くらいまでは料理に積極的ではなかった。 食べることは大好き。小