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season 1

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様々な背景を持つ複数人でそれぞれ綴る公開日記/エッセイ。 同じアパートに暮らす住人のように、交わりそうで交わらなさそうなそれぞれの日常。 (第1期は7〜9月)
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#淡路島

[第1期]書き手紹介

様々な背景を持つ複数人でそれぞれ綴る公開日記/エッセイ。アパートに暮らす住人たちの交わりそうで交わらなさそうな、それぞれの日常。 (第1期は7〜9月) re デザイナー IT企業のインハウスデザイナー。UI/UX・グラフィック・プロダクトのデザインやマネジメント・データ分析・社長のためのバンド奉公など仕事の幅が広すぎて何もわからなくなってきた。デカい水を見て煙草を吸うことと無防備な時間帯に人と話すことと水色と紫色がすき。ゴキブリ以外は多分食べれる。 Instagram

対等する夜 | motoi

数日ぶりに淡路島の家に帰宅。 昨日が新月だったこともあって、島の夜は真っ暗。思わず笑いが漏れる。 充電が切れたただの重たい電動自転車を、こぐ。 向かい風が強く、尚更ペダルが重い。 真っ暗な夜空を飾る星。川に流れる水の音。鈴虫とコオロギの大合唱。木や竹が風に揺らされ、わさわさ、ザワザワしている。息が詰まりそうなくらい湿度が高い。 色んな音が身体に充満し、視界の暗さも相まって、上下左右の感覚を失いそうになる。 前に進んでいるのか、上に進んでいるのか? 一方で、どこか妙に冴えて

Reflection [反射・反映・熟考・内省] | motoi

8月末、淡路島洲本で開催される展示会に向けて、せっせと制作中。 展示会のコンセプトは、‘日常の事実’。 主催してくださるHIRAMATSUGUMIさんが掲げてくださった。 「日常生活のむさくるしい諸事実の中にある美。 それは本質的に不完全なものの崇拝であり、人間と 自然に関するわれわれの全見解を表現している。」  岡倉天心「茶の本」の冒頭の言葉と共に、HIRAMATSUGUMIが大切にしていることや活動をお話ししてくださった。 理念に沿った在り方に感銘を受けたのを覚えて

満月はまた溶ける | motoi

今日は満月かな… スーパー銭湯からの帰り道、川に渡る橋の上で空を見上げる。 同じような形と色味の街灯が、月の隣に並んでて、双子みたいだと思う。 今日の月は街灯と同じくらい明るいな、と思った後に、この感想はどうも趣きが無いなと苦笑する。 深夜0時を回った道路は、昼間の賑やかさが嘘のよう。 夜の街は、ぼぅっとした切なさが漂う。久しぶりの感覚。 淡路島の家の周りは、街灯が無くて、夜は文字通り、真っ暗。 何にも見えない。運が良ければ月と星が見える。 近くで、遠くで、鳴く虫の声に