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season 1

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様々な背景を持つ複数人でそれぞれ綴る公開日記/エッセイ。 同じアパートに暮らす住人のように、交わりそうで交わらなさそうなそれぞれの日常。 (第1期は7〜9月)
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2023年8月の記事一覧

週末美瑛ドライブ | HINATABOKKO

とある週末、家族で美瑛と上富良野に遊びに行った。 運転手は、運転練習中の私と妹。助手席には指導係の母。 札幌から美瑛まで、高速を入れて車で約2時間40分の長距離移動だ。 私は運転という行為自体が、どちらかというと苦手な方だ。いつかの講習で見た、交通安全を訴えるビデオがいつまでも脳裏を離れず、運転中は”命”という言葉が、背中にどんどん迫ってくる感じがする。自分は1つのことに強く意識が向いてしまいやすく、瞬間空間把握が求められる運転は、普段と違う脳を使っている感覚がある。運転席

夏のデートの最適解 | re

土曜日の午後八時、新宿三丁目のスターバックスにいる男女の会話を聞きながらこの文章を打っています。 恐らく隣の二人はまだ付き合っていないけれど、お互い”アリ”だと思っている一番楽しい時期の人たちで、最近の飲み会の話しやインスタで見つけた美味しそうなご飯屋さんの話、この間行ったマッサージが良かったとか、そこまで話したいと思っていないような話ばかりをしているけれど(偏見)、その時間も楽しいよね……わかる……と心のいいねボタンを押しつつ、でも本当に話したいことはそんな話じゃないんで

とある休日について | オオタミユキ

「次の休日は何をしようか」 と考えてる時間が一番幸せを感じるのかもしれない。あれこれ考えるけど、何も予定を入れない日を作るのが私の目標でもある。 ただひたすらにベッドの上で過ごすのも良い。 朝からお風呂に浸るのも最高。体を拭いたらジュースを1杯! 最近は歯科病院に通っている。 億劫で、メンテナンスを怠っていることを怒られるのが怖くて長年見てみないふりをしていた歯。いざ通ってみると健康志向になり楽しい。 なんなら人も紹介してみた。極端な人間だ。麻酔でフニフニになった唇が気

Reflection [反射・反映・熟考・内省] | motoi

8月末、淡路島洲本で開催される展示会に向けて、せっせと制作中。 展示会のコンセプトは、‘日常の事実’。 主催してくださるHIRAMATSUGUMIさんが掲げてくださった。 「日常生活のむさくるしい諸事実の中にある美。 それは本質的に不完全なものの崇拝であり、人間と 自然に関するわれわれの全見解を表現している。」  岡倉天心「茶の本」の冒頭の言葉と共に、HIRAMATSUGUMIが大切にしていることや活動をお話ししてくださった。 理念に沿った在り方に感銘を受けたのを覚えて

ちゃんと今日もお腹を空かしている | ちろ

ここ最近機会こそ減ったものの、好きなたべものは?という質問に直面すると座り込んでしまいそうになる。 思いつかないというわけではなくとにかく無数に、限りなく選択肢が思い浮かぶので困る。そうだなあと場を濁しているうちに、走馬灯のようにあらゆる料理が頭の中を駆け巡っていく。たまに迷わず答える人がいるがうらやましく思う(こないだ友人がライチ!と即答していて微笑ましかった、し、果物なんだな…)。 聞かれるとまず、「味が好きなもの」「食卓に並ぶとうれしいもの」「許されるのであればたくさん

今世で料理はしないけど |ハコミドリ 周防

親しくなった人には、「わたし今世では "料理する" ことを、諦めてるんです」とハッキリ告げてきた。 理由は主に2つ。 ① やりたいことと睡眠時間と、その他(掃除やスキンケアなどなど)を盛り込んでいくと、1日=24時間では足りない すなわち【料理をする時間が無い】から。 ② 食物アレルギーや好き嫌いが無く、美食家という訳でもなく、なんでもうまいうまい とよく食べる、【自分がそこまで食にこだわり・執着のない人間だ】から。 「今世で料理することを諦めている」と告げると、

こわい話 | 池上まい

ついに起きてしまった。 海外に来て一番恐れていたことが、起きてしまった。 というか、今回の場合は、やってしまった、なのかもしれない。 夏なので、ちょっとだけベクトルがずれたこわい話をしたいと思う。 わたしは年に一度、必ず、通院はするが入院はしない程度の怪我か病気をする。10代の頃から、『年に一度起きるイベント』と私は呼んでいるのだが、どこにいてもそのイベントは相変わらず予告なしに突発的にやってくるようだ。でも、だいたい季節は決まって、夏の始まりから秋の始まりくらいの間に

嫌いという感情について | オオタミユキ

小さい時から感情のはっきりした性格で よく笑い、よく泣き、よく怒る子だった。 「嫌いなものは嫌いだ」と言ってよく親を困らせていたと思う。なんて手間のかかる子だったんだろう、と申し訳なく思う程に。 きっと私は好きより嫌いがはっきりしている。 大体のことを好意的に受け入れるので”好き”が曖昧だとも言える。 おいしい、たのしい、心地が良い… ポジティブな感情のハードルがとにかく低い。 何をしてたって大体は「しあわせだな」と思っている。布団に入り、いつ寝ても良い状態に出来

満月はまた溶ける | motoi

今日は満月かな… スーパー銭湯からの帰り道、川に渡る橋の上で空を見上げる。 同じような形と色味の街灯が、月の隣に並んでて、双子みたいだと思う。 今日の月は街灯と同じくらい明るいな、と思った後に、この感想はどうも趣きが無いなと苦笑する。 深夜0時を回った道路は、昼間の賑やかさが嘘のよう。 夜の街は、ぼぅっとした切なさが漂う。久しぶりの感覚。 淡路島の家の周りは、街灯が無くて、夜は文字通り、真っ暗。 何にも見えない。運が良ければ月と星が見える。 近くで、遠くで、鳴く虫の声に

たわいもない | ちろ

日々余計なことを考えすぎている。 朝起きて仕事に出るまで。今日も結構暑いな。こないだニュースで「地球沸騰化」とかいう物騒なことばを目にしたけど本当なのかな。でも日陰はすずしい。お盆明けたらマシになるんだろうか。毎年こんなもんだっけ?サンダルで出たのに足に日焼け止めを塗り忘れた。今の時代に生まれて生きていく人たちはどんな気候と環境の中暮らしていくんだろう。いきなりすべての物事が大丈夫になったりしないかな。温暖化は心配なくせに今朝エアコンをうっかりつけてしまって後悔してる。8時

8月の投稿スケジュール

アリとキリギリスとネロ | 橋口 賢人

アリとキリギリス。 アリは美学じゃない。キリギリスは反面教師ではない。 と最近思い始めた。 「アリとキリギリス」は簡単に説明すると、 アリ=貯蓄や投資など将来に備える キリギリス=毎日の生活を充実させて楽しむ で、備えていたアリは冬を乗り越えられて、備えていなかったキリギリスは冬を越せたり越せなかったりするイソップ童話です。(結末が色々ある) 小さい頃からずっとアリ的教育を受けてきた。 目の前の興味のあることや楽しいことを我慢して勉強をすることが評価された。 勉