読むのがおそく、書くのが異常にはやい
ふしぎなのだが、私は書くのが早い。奔る象のようにはやく書くことができる。たぶん、はしれば、一日で78枚ぐらい書けると思う。
もちろんそれだけ書けば文は荒れるし、そのうち打ち止めとなると思う。だから馬なりに、打鞭はひかえているつもりである。
一方読むのがおそい。読書は苦手、下手。
読むというのは、別人格に入らなければならず、基本的に他人に興味がないニンゲンのばあい、この作業が難儀である。他人の脳内に入るのであるから、難儀。
ものすごい労力が要る。
どちらが好きかと問われれば、読む、書く。
読むほうが好きである。これを下手の横好きという。
あんまり読書はしない。しないけどなんとなく、読む、書くという行為をくらぶれば、読むほうが大事だと思う。
どちらも未来につながるが、読むほうがより、未来にひろがるような、そんな気がする。
読む人は孤独ではないのだから。
李白のように、ひとりでさけをのんでいても、自分の影があり、さびしいがさびしくはない。
さらに、読んでこれを、他人と語り合えば、文は永遠に近くとなる。最上だと思う。