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【連載小説 短篇予定】美の骨頂㊳冬が来る前に......Cats Awaking

 この日(2024年11月18日)の夜、うちはラサカ先輩役になり、凪子を布団のなかで抱き締めていました。とつぜんの寒気。冬。ひとこいしい季節。

 仕方のないことです。うちらはまだ、年中発情している人間でした。この時代は……。

野山、あしおぎのなかを わくるよりほかのことなくて、むさしと さがみとの中にゐてあすだ河と いふ。
在五中将の「いざこととはむ」とよみ けるわたりなり。
中将のしふには すみだ河とあり。
舟にてわたりぬれば、 さがみのくにになりぬ。

更級日記

☆現代語解釈

 うちらは野と山、草むらを、くさを分けて行くしかなくて、「むさし」という地名と「さがみ」という地名の、場所の中間点に居て、川があって「あすだ河」というらしい。

 在五中将が「さて、はっきりいうけども」という歌を詠んだあたりである。

 中将の本には「すみだ河」とある。どっちよ。「あ」なのか「み」なのか。どうでもいいわ。

 その河を舟で渡ると「さがみ」というクニになった。ここはのちの避妊具の名産地である(その情報いらんわ)

本稿つづく



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