【連載小説】夏の恋☀️1991 シークレット・オブ・マイ・ライフ㊼
あくまで仮の如実である桃子が、それでもようやくあらわれた、と思った。これで話が進む、と。
余談だが、これは桃子に聞いた話だけど、神社というのはいろいろあり、御願所(ウガンジョ)とか、仏さまとか、恵比寿さんとか金毘羅とか、大黒天とか鏡とか、いろいろとあるわけだが、よくわからないけど、それぞれに、条件というのが厳しくきまっているらしい。
たとえば〇〇宮というのは、昼の三時まで、それも晴れてる日に行かないといけない、とか、〇〇御座は、願いは叶えてくれるけど、同じ月に三回行かないといけないとか、そういう、約束事というか条件がそれぞれの神にあるらしい。それを守らないと向こうも、出てこられないらしい。
考えてみれば、まあ、当然といえば当然のような気もする。神さまにも都合というものはあるだろう。諸条件とか、そういうの。「本日の降水確率は0パーセントです」と気象予報士が言っているのに、龍神さまをお参りしても、向こうも困るだろうと思う。
何事も思いやりというのは大事なのである。
おれは起き上がって「桃子」といって桃子の周りを跳ね回った。犬みたいに。
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本稿つづく