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【ラジオ更級ラップ】うち、源氏物語読みたいねん篇

菅原孝標女

#ラジオ
#平安時代
#助動詞が豊富なのでラップしやすい

かくのみ思くんじたるを、心も なぐさめむと、心ぐるしがりて、はは、物 がたりなどもとめて見せ給に、げに をのづからなぐさみゆく。
むらさき のゆかりを見て、つゞきの見まほ しくおぼゆれど、人かたらひなども えせず。
たれもいまだみやこなれぬ ほどにて、え見つけず。
いみじく心も となく、ゆかしくおぼゆるままに、「この 源氏の物がたり、一のまきよりして みな見せ給へ」と心の内にいのる。
おやの うづまさにこもり給へるにも、こと事 なく、この事を申て、いでむままに この物がたり見はてむとおもへど、見え ず。
いとくちおしく思なげかるるに、 をばなる人のゐ中よりのぼりたる 所にわたいたれば、「いとうつくしう、 おいなりにけり」など、あはれがり、 めづらしがりて、かへるに、「なにをかたて まつらむ、まめまめしき物は、まさなか りなむ、ゆかしくし給なるものをた てまつらむ」とて、源氏の五十餘巻、ひつ にいりながら、ざい中将、とをぎみ、 せり河、しらら、あさうづなどいふ物 がたりども、ひとふくろとりいれて、えて かへる心地のうれしさぞいみじきや。

更級日記




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