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【掌編400文字の宇宙】自由労働党党首の決断
J国自由労働党党首のWWWは、長く続いた連立政権の虚を突くようにして政教分離の緩和政策を発表した。宗教法人から政党への献金を認めたのである。これによりすくなくとも三つの宗教法人が各政党へ莫大なカネを納めた。
同時にWWWは神社本庁に対して、明治期に行われた廃仏毀釈の際に、もともと寺だったものの、現在神社として運営されている宗教施設の調査を依頼した。暫くして、神社本庁は「不明」と報告した。
さらなる調査のため、神仏各団体に巨額の交付金を行うよう提言した。これは宗教法人側というより、国会側で否決されそうな運びとなった。
「今やらないと。時が経てばたつほど調査は困難になる」
とWWWは発言した。
「それが本当にわからなくなったとき、どんなことが起こるか。魂は彷徨いあきて悪霊となり、地域のコミュニケーションは永久に失われ、確実に孤独死、犯罪が増える」
WWWの提言は金額を半分にして、受け入れられた。