【連載小説】夏の恋☀️1991 シークレット・オブ・マイ・ライフ㊽
桃子とランチ・タイムの居酒屋Sに行った。おれはゴーヤチャンプルー定食と沖縄そばを食べ、桃子は本日の日替り(チキン南蛮定食)を食べた。食べ終わってそのまま7時間ぐらい話をした。何を話したのかは全く覚えていない。
店はランチ・タイムを終えて、夜の営業に変わっていた。
「カラオケに行こう」
と桃子が言った。
Sの三階と四階はカラオケになっている。本当は当時三階と四階は学習塾だった。学習塾がなくなったあと、居抜きでカラオケにかわったのだ。カラオケSというなまえだった。
おれたちは三階に上がった。桃子は泡盛の一升瓶を二本をもってきた。のみはじめて、うたいはじめた。
おれはまず、久保田利信の「流星のサドル」を歌った。桃子はぷりぷり(プリンセス プリンセス)の「М」を歌った。スピッツ「チェリー」。HoneyWorks「可愛くてごめん」。「夏の日の1993」class。「かけてあげる」Daоkо。などが歌われた。
桃子はすごい勢いで酒をのんでいる。
ゴティエ「Somebody That I Used to Know」。「負けないで」Zard。「SUSHI食べたい」オレンジレンジ、ソイソース。「Please Please Please」サブリナ・カーペンター。「希望の轍」稲村オーケストラ。『地獄「心だけ愛して」』山崎ハコ。「ふられ気分でRock’n’Roll」TOM☆CAT。「Stand Out Fit in」ONE OK ROCK。などが歌われた。また、
鈴木常吉「思ひで」「勝利のうた」ディアマンテス「Last Smile」LOVE PSYCHEDELICO「川べりの家」松崎ナオ「悲しいね」渡辺美里「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」岡村靖幸「Right Here Right Now」ファットボーイ・スリム「BIRDS OF A FEATHER」ビリー・アイリッシュ「Sebben crudele mi fai languir'」CAPSULE「You are the reason」「Gymnopedie No.1 」
こういう感じで、おれたちはいろいろと歌った。
「わたしね、言ってなかったことがあるんよ」と桃子が言った。
「わたしね、一度妊娠して、子どもが流れてしまったことがあるんよ」
と。なんかそれ、聞いたことがあるような気がしたというか、聞いたのだが、初めて聞くような顔をして聞いた。
「そうか」
「うん。さいごに言えてよかったわ」
「うん」聞いたことあるけどと思いながら。まあそれで桃子の気が済むのなら、それでいいだろう。と。
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本稿つづく