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【特別企画 夏の怪談】名護のアクセルとブレーキ②

 大学生の四人組、みなR大である(NKは一体どこで誰からこの話をきいたのか。姉がR大なのでそのつながりなのか)。季節は不明。とくに言及はなかった。四人は、大学生特有の軽いノリで軽口などを叩きながら、ドライヴをしていた。

 車は南部から中部へ、北部へ。O村にさしかかった。このO村というのは西海岸に細長く、国道58号線をいつまで走ってもO村である。ていうか沖縄って殆どがO村なんじゃねえか、と思うほど異常に長い。南米のチリみたいな村である。

 また、このO村には、海岸から登って山間部に、ユタの修行する場があるという。これは私も聞いたことがある。場所は秘されている。非舗装道路で、入り口には「立ち入り禁止」という看板があるらしい。ヤヴァイところである。

 ユタというのは霊能力者で、人の過去に関する霊的な指導者である。金を払い、買う。ユタは金を貰って、アドヴァイスやセラピーを行う。神女(ノロ)という人たちもいて、これは人の未来に関する霊能力者である。昔の沖縄では、神女(ノロ)というのは公的な人物として、中央で管理されていたらしい。この神女(ノロ)のトップが聞得大君(きこえおおぎみ)である。この聞得大君は、王族につながる女がなる。現在のS中学校は、聞得大君の住んでいた場所だったらしい。

 神女(ノロ)というのは、金は取らない。アマチュアというか、仕事はべつにもっている。それで何かの行事や法事などがあると、行って地域住民を指導するのである。ちょっとぐらいはお金をもらったりしたのかもしれない。よくわからないが。私の祖母の姉はこの神女(ノロ)であった。Gノロと呼ばれ、あたり一帯の霊的指導者であった。

 ユタについてはいろいろ話があるが、ひとつだけしておこう。

 数年前にNKと久しぶりにあった、オナブ(同じ部活動)の友人の母の葬式の、その友人が子どもの頃、ユタを買ったことがあるという。

本稿つづく

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