【叙情】わたしがせつなくなるとき、最近
わたしの住む首里は散策に適しているので、よく人がウォー・キングなどをしている。観光客も地元民も。
カップルなどがあるいていると、いちゃいちゃすんなや、と思う。わたしは性格が悪い。口も悪く、品が無い。
老夫婦があるいているのを見ると、せつなくなる。
わたしとわたしの刀自(とぅじ・妻のこと)は、ああはならないのだろうな、と思う。おそらくだが、刀自のほうが先に死ぬと思う。思うというか、そうならないといけないと思う。わたしが先なら死んでも死にきれず、地縛霊、怨霊、呪怨みたいなものになって、ひとさまに迷惑をかけるだろう。
わたしはほとんど一人であるいている。
同行二人、惚れたおんなの面影を合わせて、三人。
寄らば文殊の智慧。
こころぼそくはない。きほんてきには、平気。
だがやはりときおり、切なくなる。さびしくなる。