【行間を読む】中原幹夫「理論物理学のための幾何学とトポロジー 第2版」 p. 283 (共形的平坦な球面の座標系)
キーワード
共形的平坦
共形変換
該当箇所
(前略) $${u=\ln\tan\theta/2, v=\phi}$$で定義される写像$${f:(\theta,\phi)\mapsto(u,v)}$$は共形的平坦な計量を与えることがわかる。(後略)
疑問点
具体的にどのような座標系なのか。
解説
$${S^2}$$の共形的平坦な計量では座標系が図のように張られる。
$${u,v}$$一定の曲線は互いに直交するが、極に近づくに従って$${u}$$が密になっていくのが極座標と異なる。共形的平坦な計量では各点において2つの軸のスケールは等しく、$${v=\phi}$$が極に近づくにつれて密になることを反映して、$${u}$$も密になっていくと考えられよう。
この直観は$${u=\ln\tan(\theta/2)}$$のグラフを見れば納得できるだろう。
極付近$${\theta\sim0, π}$$では$${\Delta\theta}$$に入る$${u}$$の領域が大きいため、その分目盛は細かくなる。
また2軸のスケールが等しいことはよりメッシュを細かくした図においてどの格子も(極座標形に比べれば)正方形に近いことから窺える。
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