【行間を読む】砂川「理論電磁気学 第3版」p. 105 (静電容量係数・静電誘導係数の正則性)
キーワード
静電容量係数
静電誘導係数
コンデンサー
該当箇所
(5.20)と(5.21)の結果を(5.19)に代入すると
$$
\begin{array}{lr}\begin{array}{l}\phi_1=\dfrac{1}{4\pi\varepsilon_0}\left(\dfrac{1}{a}Q_1+\dfrac{1}{b}Q_2\right),\\\phi_2=\dfrac{1}{4\pi\varepsilon_0}\left(\dfrac{1}{b}Q_1+\dfrac{1}{b}Q_2\right)\end{array}&(5.22)\end{array}
$$
となる。(5.22)を$${Q_1}$$と$${Q_2}$$について解くと
$$
\begin{array}{}\begin{array}{l}Q_1=4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{ab}{b-a}\phi_1-4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{ab}{b-a}\phi_2,\\Q_2=-4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{ab}{b-a}\phi_1+4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{b^2}{b-a}\phi_2.\end{array}&(5.23)\end{array}
$$
これより、
$$
C_{11}=4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{ab}{b-a},\quad C_{12}=C_{21}=-4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{ab}{b-a},\quad C_{22}=4\pi\varepsilon_0\cdot\dfrac{b^2}{b-a}\qquad(5.24)
$$
であることがわかる。
疑問点
計算の結果$${b-a=0}$$となって(5.24)各式が値を持たなくなることはないのか。
解説
計算の結果$${b-a=0}$$が得られる場合は$${\phi_1=\phi_2}$$のときに限られる。逆に$${\phi_1=\phi_2}$$のもとでは(5.22)から直ちに$${a=b}$$が得られ、その際内外の金属は接触している。したがって系の静電容量を考察する必要はない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?