【論文】M. Oshikawa (2000)
元論文
キーワード
LSM-Oshikawa-Hastings theorem
基底状態からのgap
縮退
概要
1方向について周期境界条件(periodic boundary condition: PBC)をとったD次元格子上の1種粒子の量子多体系で粒子数が保存するとき、基底状態からのgapは、基底状態が縮退しているか、1セルあたりの粒子数が整数のときにのみ許される。
spin系では$${S^\pm}$$をボゾンの生成消滅演算子にマップすることで$${S-m}$$個の粒子の問題に帰着する。
導出手順
E. H. Lieb, T. Schultz, and D. J. Mattis, Ann. Phys. (N.Y.) 16, 407 (1961)の手法を応用する。
LSM原論文では
$$
U=\exp(\frac{2πi}{L}\sum_{\bm{r}}xn_{\bm{r}})
$$
のユニタリ変換で構成した、スピンを1回捻った状態$${U\ket{\Psi_0}}$$と、基底状態$${\ket{\Psi_0}}$$のエネルギー差が$${1/L}$$に比例することから、この系がgaplessであることを見た。
1回捻るユニタリ変換は磁束量子$${\Phi_0}$$をPBCのリングの中に入れて打ち消すことができる。正確には、
磁束量子を断熱的に入れて、$${H(0)\to H(\Phi_0)}$$とベクトルポテンシャルの分だけハミルトニアンを変換する。この過程で基底状態が$${\ket{\Psi_0}\to\ket{\Psi_0'}}$$と変換され、運動量は変わらない。
ユニタリ変換$${UH(\Phi_0)U^{-1}=H(0)}$$によりハミルトニアンが元に戻る。この過程で$${\ket{\Psi_0'}\to U\ket{\Psi_0'}}$$と変換する。運動量は$${U^{-1}P_xU=P_x+2πi\nu C}$$と変化する。
断熱的に磁束を入れているので、有限エネルギーギャップがあれば基底状態$${\ket{\Psi_0}}$$は基底状態にしか移らない。従って有限エネルギーギャップの存在下で$${U\ket{\Psi_0'}}$$は基底状態となる。
$$
\begin{matrix}&P_x^0&&P_x^0+2π\nu C\\H(0) & \ket{\Psi_0}&\to&U\ket{\Psi_0}(\text{once twisted LSM state})\\\downarrow&\downarrow&&U\ket{\Psi_0'} (\text{ground state if gapped})\\\downarrow&\downarrow&\nearrow&\\H(\Phi)&\ket{\Psi_0'}\end{matrix}
$$
$${\nu C=p/q}$$と既約分数でかけるときは、有限ギャップがある場合に基底状態が運動量が異なる$${q}$$個の状態に縮退することになる。