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定年女子がWebライターを選んだワケ

定年まであと3か月。再雇用は希望しないことにした。
そして選んだ仕事はWebライター。なぜライターなのか?
それは過去の挫折体験があったから。


再雇用は希望しない

あと3か月で定年退職となる。この数か月、再雇用を希望するかしないか、ずっと迷っていた。

再雇用を希望すれば、最長65歳まで今の職場で働くことができる。しかし、この数年で仕事のやり方が急激に変化していて、今後はAIが導入されるなど、変化はさらに加速していく見込みだ。

1年なら何とかなるかもしれないが、5年はちょっと難しいかも。別の仕事を始めるなら早いほうがいい。 

系列の派遣会社に登録してみた

とりあえず、今勤務している会社の関連会社である派遣会社に登録した。登録はしたものの、求人があるかどうかは別の話だ。
 
今の会社での経験年数は長いけれど、派遣労働者として重宝されるような資格やスキルはほとんど持ち合わせていない。再雇用は希望しないと決めたものの、ヘタをすると次の仕事にありつけないかもしれない。

月100万稼げる仕事って?

図書館で中高年の再就職に関する本を借りたり、公共施設で就職関係のチラシを漁ったり、スーパーに置いてある無料の求人誌をもらってきたり、とりあえず情報収集を始めた。

そんなある日、仕事帰りに立ち寄った書店のビジネス書のコーナーで『文章起業で月100万円稼ぐ!』(藤原将著 大和出版)という本が目に留まった。
 
世の中、そんなにうまい話が転がっているわけがない。仮にそんなノウハウがあったとしても、それを他人に教えようという奇特な人がいるとは思えない。

疑り深い私は一旦その場を離れた。でも、どうしても「文章起業」の文字が頭にチラつき、結局もう一度戻り、その本を買ってしまった。

クラウドソーシングという仕組み

内容は「Webライターになり、インターネット上に掲載される記事を書こう」というもの。

企業がインターネットを介して社外の不特定多数の人に業務委託する「クラウドソーシング」という業務形態がある。そこで仕事を受注して記事を執筆するのだ。副業として始める人が多いようだが、大半が月収5万以下のいわば電脳内職。
 
100万も稼げるのは、自分の専門分野で電子書籍を一冊執筆できるくらいの実力がある人に限られるだろう。実績がないと仕事を受注すること自体が難しいし、初心者のうちは単価も非常に安い。
 
しかし履歴書を出すわけではないので、就活のように年齢や性別、学歴や地方在住という理由で不利になることはない。

再度ライターを目指す

以前、編集プロダクションで働いたことがあった。しかし、ライターの他に、編集、校正、イラストの画像処理、DTPなどを、わずかな引継ぎでいきなり担うことになり、1年で挫折。
 
フリーでライターの仕事を続けるという選択もあったが、ツテもなく仕事をもらえる当てはなかった。書く仕事を続けたい気持ちはあったが、不安定なフリーライターより、確実に収入がある会社員のほうを選択したのだ。
 
毎日通勤電車に揺られて仕事に行き、いつも気忙しかった会社生活も嫌いではなかった。でも、あと3ヶ月したら会社に行かなくていいんだと思ったら、気持ちがすーっとラクになった。
 
何歳からでも新しいことにチャレンジはできる。とはいえ、人間いつ何があるかわからない。まずは、やり残したことに着手してみようと思う。たとえ単価は安くても、お金をいただきながら実践で文章修行をさせていただく、くらいの気持ちで。


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