定年女子でもライターになれる?
私は暗算が苦手だ。
もう少し計算が早かったらWebライターになることを躊躇したかもしれない。
さて、最初の1ヶ月の報酬は?
暗算ができたらWebライターにならなかった?
Webライターの仕事を始めてから2か月近く経過した。はじめの1ヶ月の報酬は5,574円。1,500~2,000字程度の記事を15本書いて5,574円だ。
日中、ずっとパソコンの前に座っているが、作業に煮詰まると散歩をかねて近くのスーパーに買い物に行く。その店に「パート募集、時給980円」などと書いた張り紙があると、「1時間働いたら980円もらえるんだ。いいなあ」と思ってしまう。
超初心者ゆえ、執筆スピードが遅いせいもあるが、1ヶ月働いて5,000円ちょっとなんて、生産性が低すぎる。
クラウドソーシングで仕事を受注
毎日、登録しているクラウドソーシング会社のサイトを確認する。クラウドソーシングとは、業務委託の仕事をインターネット上で受発注できる仕事のマッチングシステムのこと。
クライアントが発注する仕事の内容が掲載されているので、それを見て、受注したいワーカーが自分のスキルや経歴を記載したメッセージを添えて応募し、条件が折り合えば契約締結となる。
――1文字あたりの単価は0.2円、文字数2,000字以上で子育てに関する記事を5本書いてください。5本すべて納品されたところで報酬をお支払いします。5本納品できなかった場合は、報酬をお支払いできない場合があります――
このような仕事を見つけると、まず2,000字書けそうかな、と考える。2000字は400字詰め原稿用紙で5枚。クラウドソーシングの仕事の中ではわりと短い文字数だ。金融商品について書けと言われたら自信はないが、子育てなら経験があるので何とかなるだろう。
子育ての頃を思い出したり、最新事情をネットで検索したり、情報集めをして依頼にあった内容の記事を作成する。早いライターならほんの数時間で仕上げられるだろうが、何せ初心者なので時間がかかる。
ネットで検索する程度の情報収集ではあるが、間違った情報を書くわけにはいかないので、なるべく公的機関や業界団体など、信用できる筋の情報を集める。
何とか記事を書き上げても、次に待っているのはコピペチェック。ネット上にある記事をコピペして記事を作ることは、著作権等の問題からご法度なので、コピペチェックのサイトで、自分が書いた記事をチェックする。
ネットは参考程度で、自分の体験を中心に書いた記事なのに、なぜかコピペ率が高い場合がある。たとえば「赤ちゃんが喃語を話し始めるのは生後5~6か月頃です」という言葉がすでにネットに掲載されていると、そのサイトをコピペしたのでなくてもチェックに引っかかってしまうことがあるので、表現を変えないといけない。四苦八苦してコピペ率を規定以内の数値に下げて、やっと納品となる。
収入が月5,000円になるワケ
出掛ける日もあるのでずっと書いているわけではないが、一旦書いて翌日推敲すると、1本納品するのに2日くらいかかる。ということは、5本納品するには10日かかるということだ。
2,000字×0.2円×5記事=2,000円だが、クラウドソーシング会社が20%程度とるので、実質の報酬は1,600円程度。そこでやっと月に15本書いても5,000円程度にしかならないことが実感できた。
報酬を多くするには、たくさん記事を書くか、単価を上げるしかない。納期に間に合わないと評価が下がり、今後の受注に影響がでてしまうので、今は控えめな件数しか受注していないが、慣れたらもう少し増やさないといけない。
たくさん書くか、単価を上げるか
単価は相場が1文字1円程度と言われているが、応募資格が経験者に限られる案件もあるので、初心者は単価が低い案件しか受注できない。同じクライアントから継続で発注をもらえるようになると受注件数が安定し、単価も徐々に上げてもらえるようなので、今はとにかくたくさん書いて、実績を増やすしかない。
まだ副業とも言えないレベルの報酬ではあるが、ウェブライターの仕事をはじめてよかったこともある。
単発の記事で「○○の仕事を辞めたいと思っている女性に、自身の経験を踏まえて伝えたいこと」というテーマの依頼があった。
対象となる読者像がずいぶん限定されており、どれほどの人がこの記事を見るのだろうと思ったが「○○(職種) 辞めたい」のキーワードで検索すると、141万件の記事がヒットした。
誰にも相談できず悩んでいる人が私の記事を読んで、もう一度がんばろうと思ったり、気持ちの踏ん切りがついたりしたらいいな、と思う。
名刺にライターと書けば、月収5,000円でも自称ライター。でも、ちょっと待てよ。今の10倍書いても5万円、単価が10倍になっても5万円。道はけっこう険しいかも。
しかし、記事を書くためにネットを検索していると、知らないことがたくさんあって、調べるのは面白い。今は調べるのに時間がかかっても、次に同じようなテーマの記事を書くとき役に立つこともある。「自称」がつくライターだけど、もうちょっとがんばってみようと思う。