おねーちゃんと眠る夜。

「ただいまー…」
ふらふらと帰り着いた頃には、もう2時を回っていた。少し飲み過ぎたかもしれない。

「あー、てーくんだ、おかえりー」
眠そうな顔で帰宅を迎えてくれたおねーちゃんは海外ドラマを見てたみたい。待っててくれなくてもよかったのに。
「帰ってきてひとりだとさみしいもんねー。結構遅かったけど、楽しかった?」

うん、人もお酒もご飯もよくて楽しかったよ。
飲み会だとは伝えていたけど、こんな時間になるとは思ってもいなかった。
ごめんね、ずっと待ってたの?
「適当に寝ようと思ってたんだけど、そろそろてーくん帰ってくるかなーって思ってた。へへ、当たるもんだね」

にこにこ笑うおねーちゃんをなでなでして、コートやらバッグやらを片付けていると、椅子に座ったままうとうとしはじめていたみたい。
ベッドに連れてって布団をかけて、もう一回なでなでして寝かせる。

・・・

電気を暗くして、シャワーを浴びて、明日の準備を軽く済ませると、まあまあ遅い時間になってしまった。仕方ない、そもそも帰宅が遅かった。
あ、冷凍ご飯のストック増えてる。さすがおねーちゃん。
というか明日のお弁当が完璧に仕上がってる、まじか。こちとら遅くまで飲んでたのに、家でいろいろしてくれててありがとう。…明日の夕飯はいつもより凝ったやつにして、デザートもいいの買ってきちゃおうかな。

心置きなく眠れそうなので、先におねーちゃんが寝ている布団に入る。
冷たい空気が入らないように、起こさないように、そーっと、そーっt
「…お先してます。ちゃんと髪乾かした?よしよし、入っていいよ。」
頭を撫でてきて、半分眠たそうな、満足げな顔で入れてくれた。おねーちゃんを起こさずに布団を出入りするのは未だに難しい。ちゃんと寝れてるのか心配になる。

冬場の布団は入った直後が冷たくて、その冷たさも好きではあるんだけど、いきなり温かいのも良い。足先からじんわり温まって、隣から聞こえる寝息も相まってすぐに眠くなってきた。
いつもありがとね。
起こしてしまわないように、ゆっくり撫でると、少し顔がほころんだ気がした。…起きてないよね?

しっかりぐっすり眠る時間は取れないときもあるけれど、いつもすっきり起きられているのは一緒に寝ているおねーちゃんのおかげかも。
明日もまた頑張ろうね。

おやすみなさい。

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