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009 週末旅〜香川〜

1)簡単には行けないエリアと思い込んでいた
この歳まで遠回しにしていたエリア、それは山陰と四国。山陰は今夏訪れることができ、手強くないと実感。あとは四国だな〜と思っていた矢先に、高松在住の前職の先輩から「遊びにこない?」とお誘いを受けた。当初は時間が取れないので・・・とお断りしたのだが、時間の経過とともに、こういう機会を逃していたらいつの間にか年取って死んでしまうかもしれない、なんて気持ちが揺れはじめた。山陰もさらっと行けたんだから四国だって行けるはず!と意を決し、週末の一泊二日で行ってみることにした。

2)あっという間の空旅
羽田空港から高松空港までは1時間ほど。あっさりと人生初の四国上陸が実現してしまい、拍子抜け。遠いと思いこみ、あんなに後回しにしていた自分よ、馬鹿、馬鹿、馬鹿・・・

週末旅に出動率高めの帆布のボストンバッグ。クラシカルなデザインがお気に入り。
前日までの雨模様が嘘のような快晴!空の上からの景色は本当に美しい。

3)念願の場所へ
香川県に行くならぜひ行ってみたい観光地が以前からあった。金比羅山。一泊二日の弾丸旅で果たして行けるだろうか?出かける前にチェックしたところ、空港から金比羅山の最寄駅、琴平まで直行バスが出ていることが分かり、これなら無理なく行けると判断し、空港からバスに乗り込んだ。山陰の時も感じたが、みなさん車での移動が多いのか、こういった空港から観光地への直行バス・・・週末なのにかなり空いていた。
1時間くらいだろうか、無事琴平駅に到着!念願の金比羅山へ来れたのだと思うだけで、ワクワクが高まってきた。まずは、ボストンバッグを駅のコインロッカーに預けて身軽になリ、いざ出発。

JR琴平駅。レトロな駅舎が魅力的。
祝日ということもあり、参道は大勢の人で賑わっていた。楽しい雰囲気。
参拝前の寄り道は邪道かもしれないが、階段を登りきるためにまずはこちらに。

4)参拝する前の腹ごしらえ
参道は多くの人で賑わい、楽しい雰囲気に満ちていた。まずはお参り。しかし、お腹が空いてきた。。。先の道のりの想像がつかないので、せめてお昼ご飯だけは先に済ませよう。と、グルメではない私は、手っ取り早く人が並んでいるお店の列に並ぶのだった。

晩秋にもかかわらず暖かい日だったので、迷わず「ぶっかけ、冷」を注文。

関東人にとって、本場の讃岐うどんの注文方法はいささか緊張する。丸亀製麺が全国区でいてくれてありがたいとつくづく思う。要領を得ている気にちょっとだけさせてくれてるので。流されやすい性格せいか前の人に続いていると、気がつけばあれよあれよと色々取ってしまっていた・・・でも美味しかったから大満足。祝日なので一人客はほとんどいないかなと覚悟していたが、意外にいたので安心して食事を楽しんだ。さて、いよいよ参拝だ。

5)なめていました、金比羅山。これは立派なハイキング!

手すりがない急な階段が商店が立ち並ぶ序盤から始まっている。
昔ながらの伝統的な店も並び、風情を感じる。

御本宮まで階段が785段、それは知っていたけど、どのくらいの大変さかイメージできず、気軽な感じでスタート。なんせ、老若男女大勢の人が歩いていたから不安はなかった。が、登れど登れど到着する気配なし。30分はゆうに登り続けたかもしれない。途中、興味深い景色もたくさん見られたから飽きはしないんだけど、心の底では「まだ〜?」な思いは常にあったかもしれない。
御本宮が見えてきた時は、心からホッとした。いやーなめていましたよ、金比羅山を。すみません、気合が足りなくて。

御本宮からみた景色。遠くに瀬戸大橋が見えて、胸が高鳴った。
金と平をかけ合わせたモノグラムが素敵!と個人的ツボにハマり、見かけるとパシャパシャ撮影。

御本宮までもかなり疲れたが、どうやら奥社があるらしい。ここから往復約1時間。まじですか?まだあるんですか?心が揺れたが、私より年輩者も歩いているお姿を見るにつけ、これは行くしかないと気持ちを奮い立たせた。ここからも容赦なく坂道は続く。登ること約30分、ようやく到達した奥社はこぢんまりとしていたが、達成感ははんぱない。もう一生来られないかもしれないという感慨もあり、丁寧にお参りした。

最後の最後まで急坂は続く。。。
せっかくここまできたのでご利益を得るために甥たちのお守りを購入。1368段、お疲れ!わたし。

達成感を胸に帰り道は充実した気分で下山した。安堵感からか、行きよりも周囲の様子をゆったりと眺められたかもしれない。

目を引く蝋人形。インパクト強し。ついつい吸い込まれてしまい、お土産を購入。
モダンな雑貨店もクラシカルな建物の中で営業していて、そのリミックス感が面白い。
参道沿いに伝統的な旅館が。現役の模様。絵になる〜

この町に来たらもう一つ寄って行きたいところがあったので、先輩との約束の時間をチラッと気にしつつも向かうことにした。閉館時間が迫っていたせいか空いていたので、ゆっくり見学できた。古いけどムード満点で、その昔、ミラノのスカラ座やパリのオペラ座を見学した時と同じくらいの高揚感があった。金丸座、素晴らしい!

じゃーーん。ここです!こんぴら歌舞伎が行われる金丸座。現役の芝居小屋。
入場チケットもいい味を出している。
正面舞台の様子。松の絵がなんともいい風合い。
赤が幻想的で色気を感じる芝居小屋だった。

気がつけば高松市へ向かわねばいけない時間に。琴電に乗って向かうことにする。
おっとその前に、荷物をJR琴平駅にピックアップせねば。と、迷い込んだ商店街で素敵な文具店を発見してリサーチ癖が出てしまい、店内を覗く。琴平駅そばの片隅で頑張ってる文具店、陰ながら応援したい。
そして、琴電に乗ること約1時間、本日お世話になる高松駅そばのホテルに到着。その後先輩と数年ぶりの再会を果たし、食事を楽しんだあとホテルに戻り、就寝。

琴平文具店。ノートのカスタマイズが楽しめるようだ。
琴平の商店街の様子。
琴電に乗って市内を目指す。
レトロな車内。始発っていいもんだ。
三日月の形をしているホテル。部屋がやや台形だったのが面白かった。

6)2日目もまたもやハイキング!
朝起きると少し筋肉痛。しかし、この日もまさかのハイキングデーとなった。。。
午後に先輩が運営する私設ギャラリーにお邪魔して帰京予定だが、午前中はノープラン。だったら行ってみようと思いついた場所が、屋島。ここは金比羅山のように以前からってわけではなく、今夏久しぶりに紙媒体で購入した「&premium」の表紙の写真に釘付けで、それが屋島だった。雑誌を購入した時はステキ〜と思いつつも、その数ヶ月後まさか自分の目で見られるとは思いもよらなかったが、案外できちゃうものなんだな。人生にはまさかのうれしさが散りばめられている。
が、その道のり、けっこう時間はかかった。車ならするっと行ける場所のようだが、車でない私は、電車×バスでゆうに片道1時間半くらいかかってしまった。しかも、その雑誌の表紙の景色を見るためにはバス停から約30〜40分山道を歩くしかなかったのだ。。。まさかのハイキング。

こんな道をひたすら歩く。しかし森林浴になり、気分がとてもよい。
遊鶴亭からみる景色!!素晴らしすぎる、感動。

遊鶴亭からみた景色が素晴らしすぎて泣きそうになった。その場に居合わせた人たちもたまたまだろうが独りの人ばかりで、静寂のなかで美しい瀬戸内海を思う存分見つめ続けた。毎週のようにハイキングに来ているという地元の方に「どこから来たの?」と声をかけられ、「東京」と答えると、「あらーだったら色々紹介するわね!」と、眼下に見える島の名前や屋島の話を詳しく聞かせてくださって、うれしかった。こんな美しい景色が日本にあることは私たちにとって財産だなとつくづく感じた。平家物語にも出てくる有名な合戦場、そこの場所も教えてもらえた。ハイキング、二日連チャンで辛かったが頑張った甲斐あり。

屋島は84番。お遍路の予定はなかったがバスの時間までちらっと寄る。

7)ランチとリサーチも忘れずに
屋島を後にしたのち町中へ繰り出し、ランチにまたもやうどん、そして商店街の店をぶらぶらのぞきながら、最後の目的地、先輩の美術館へ向かう。

事前リサーチなしで、とりあえず人が並んでいたこちらの店に入ってみる。
またもやお作法がわからず頼みすぎてしまった。。。いつになったらまともな注文ができるのだろうか?
寄ってみたかった雑貨屋さん。地元の商材を推していてよかった。お土産購入。

8)ユニークな美術館
高松駅から電車で二駅の鬼無駅で下車。徒歩で5、6分歩くと先輩が運営するギャラリーが見えてきた。昨晩に続き先輩とゆっくりお話することができてよかった。日が暮れる頃、空港に向かい、帰路に着いた。

広い空×日本庭園×モダン建築のコントラストが印象的だった。
“gallery hooks”と名付けている象徴といえるディスプレイ。引き出して観るという能動的なアクションが楽しい。
観る側にメッセージを送ってくるかのようなインパクトのある抽象画。
別邸はイベントスペース。
鬼無駅で電車を待つ間の空。こんもりした山がなんともいえずいい味わい。これぞ讃岐国。

9)二日間でも存分に楽しめた讃岐国
あっという間の二日間。車なしなので間違いなく非効率だったとは思うが、時間がかかった分一つ一つの場所を噛みしめながら体験できた。そして日本には私が知らない美しい町がまだまだあって、死ぬまでにあとどれだけみられるかはわからないけど、限りがあるからこそこれから先、丁寧に味わっていきたいと改めて思った。🧳

大量のお土産またもや買い込んだ。

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