公認心理師試験の覚書①~受けてよかった編~
第四回公認心理師試験、Gルート(現任者)のジレンマをひっそり抱えつつ、闘いは幕を閉じた。
2021年9月19日実施の公認心理師試験を受験し、4か月近く経った。合格発表は、とうの昔の2021年の10月29日。
結果は、めでたく合格。
おめでとう、私。ありがとう、私。
現在は待ちのひとときで、いわゆる『資格登録』の事務手続きに時間がかかっている状態。2、3か月はかかる可能性があると聞いていたので驚くことではないが、ちと待ちくたびれてきた。
次の第五回公認心理師試験で、Gルート(現任者)の受験は最終回。
公認心理師合格後、さっさと勉強法を公表しようと考えていたのだが、ここ数か月は筆が止まってしまった。
筆が止まった理由は、挙げればいろいろ。
1.公認心理師受験までの長い道のりに圧倒されていた。
2.公認心理師の立場を知るほど、物が言いにくくなった。
3.資格取得後のビジョンがモヤっとしていて、発言欲がなかった。
4.しわ寄せがきていた家族との絆を取り戻す方が優先だった。
5.左脳偏重になった頭をほぐさねば、言葉が紡げなかった。
1~5について、冗長となりそうだが詳細を書けるものは次号以降で書いていくので、もし興味のある方があればお読みいただきたいと思う。
合格発表後から年末まで気ままに過ごし、仕事にほどほど邁進し、家族と戯れ、新しい年を迎え、これまでに感じたことのない穏やかな幸せが到来している実感を経て、ねじりにねじり切った左脳が漸うほどけてきた感あり。
私にとって試験用の勉強というのはパズルのようなもので、膨大な知識(ピース)を法則にしたがって効率よく枠にあてがい、像を結んでいいけば突破できると考えている。(合格だけに焦点を当てるなら・・)
ゴリゴリに左脳寄りのやり方で試験を突破した先に、実践の中で有機的に見識を駆使するという段階があるが、そのときに鶴の一声といった風情でものを言うのは、ちなみに右脳であるような気がしている。
今回は、その切り替えが一筋縄でなかった。動き始めるために、脳のギアをいったんニュートラルに入れる必要があってぼーっとしていた。というのが、この数か月。
実は、1~5の他にももうひとつ筆が止まった理由がある。
試験を効率よく突破する方法を公開することは、果たして意味があるのだろうかという疑問に憑りつかれたのだ。突破した先に、心理専門職の見えないヒエラルキーやらなんやら、色々面倒なことがあると知ってからは特に。
でも、けっきょく公開することにした。(次号で)
なぜなら私自身は、公認心理師資格を得てエンパワメントされたから。
そして、公認心理師に希望を感じているから。
第五回公認心理師試験は7月実施予定。去年より2か月早い。
そうなると、2月頃に受験の手引き配布、4月頃に出願、6月頃に受験票が届くという流れになるのだろうか。あくまでもこれは予想。
※最新の情報は、一般財団法人 日本心理研修センターHPにてご確認を
Gルート(現任者)に与えられるチャンスは、あと一回。
心理の国家資格がなかった時代に、さまざまな立場でこころの仕事に携わってきた人には、ぜひとも挑戦してほしいと思う。
私自身、出身は教員養成系大学なのに、ひょんなことからカウンセラーとして仕事をすることになり、またひょんなことから社会福祉士資格を取ることになり、さらにひょんなことから公認心理師資格を取ることになった。
※当時は、いずれも「ひょん」どころではなく必死
現職では、社会福祉士、キャリアコンサルタント、保健師といった様々な資格保有者とチームを組んで相談業務にあたっているが、現場で培われたさまざまな知恵が集結するメリットを日々感じている。
とくに社会福祉的な視点があると、精神的な問題に傾倒しすぎず現実感をもった支援になりやすい実感がある。このことは、今日も明日も現実を生きねばならない相談者にとって、とても心強いことのようだ。(実際、公認心理師試験では社会福祉分野の出題がかなり多い)
公認心理師の国家資格化の歴史的背景を知るほど、いろいろと語りにくい部分はある。しかし私自身は、日本という社会的枠組みの中で生きている人が、同じ社会的枠組みの中で生きていく人を支えるという点では、公認心理師はじゅうぶんに機能する可能性を有すると思う。そういう意味では、ある一定ラインを突破した専門職の数は多いに越したことはない。
対人援助職についてから18年目に突入した今年。
日々の相談内容も、じつに色とりどり。今年は少し力を抜いて、傾聴も心理教育もあり、社会福祉制度との橋渡しもあり、そしてときには徹底的に共に哲学する。そんな真剣な遊びのような対話が展開できたら豊かだろうな、と夢想中。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。