中国朝鮮族の始まりのお話
横山光輝の三国志や、北方謙三の三国志、水滸伝~楊令伝~岳飛伝を知らない人がいるだろうか。
ゲームセンターの天地を喰らうⅡに熱狂したことのない男子がいただろうか。
ある層の男性たちは実は中国の歴史と魅力的な武将たちにリスペクトと男のロマンを抱いている。
秦の始皇帝のお話しである大人気のあの漫画もあの漫画も舞台は中国だ。
でもそれはずっと昔のお話であって朝鮮族の歴史は1860年くらいから始まる。
1860年~70年の11年間、朝鮮半島北部では大寒波と大虫害によって、特に69年には旱災(かんさい)と朝鮮王朝の腐敗によって民衆はとても苦しんでいた。
それは人々の中で<餓死年>と呼ばれるほどひどい年だった。
しかし川を渡った清国(中国)には満族発祥地として封禁令により200年余り移住が禁止され人の立ち入りがなく肥えに肥えた天府之土(生産物の豊かな地)があった。
渡るっしょ。江、越えるでしょ。
しかしそこは越江罪という規制があって、見つかれば斬首という厳罰だった。
それでも民は生きる道を求めて、日帰り耕作→数日泊→春に渡って秋の収穫後に戻る→家を建てちゃうという命がけの生活をせざるをえなかったわけですよ。
そんな中、朝鮮では1883年にそんな厳しく悲しい民の現状を鐘城副使が、視察に来てた西北経略使とかいう偉い人に直訴することによって越江禁止令が廃止されると、清の吉林将軍も延辺地方で多数を占めるようになった朝鮮の民を出国させることができず、清の朝廷に朝鮮の民が滞在するための証書を発行することを主張してくれるようになった。
清の朝廷も移住民を利用して延辺を開墾することとし、1885年に封禁令を廃止することでついに、朝鮮の民は合法的に延辺地方に住むことができるようになったのである。
これが中国朝鮮族の始まりの物語。
次回は「間島」についてのお話。