無題
あんなにいつも丁寧に、ありったけの言葉を尽くしてくれるSexy Zoneが、なんの説明もくれなかったときはもうそういうことで、それはつまり終わりを意味するときなんだと思ってた。
ずっとそう思ってたけど、そう思ってたのは、そんなのこの人たちには起こりえないだろうって勝手に信頼して、安心していたことの裏付けだった。
でも、いつ当たり前だと思っていたものが壊れてもおかしくない。私たちはこの1年間でこのことをどれだけ痛感してきただろう。
Sexy Zoneが節目を迎えるとき、「どうか、この人たちがずっとアイドルでいられる世の中でありますように」という願いを言葉にしていたけど、この願いがこんなにも脆くて叶え難いものだとはやっぱり思っていなかった。ずっとこのままでいられるのが困難な未来があったとして、それはもうずっとずっと先のことで、想像の範疇にないような未来の話のはずだった。
でも今はもう、彼らはジャニーズではいられない。ジャニーズが、この世から消えた社会で生きている。
風磨くんは、いつも最悪を想定して生きてるっていうけど、その想定にはどれくらいの現実感が伴っているんだろう。私は、未来に起こりうる色んな可能性の想像はできていても、それらを現実的に捉えられていなかったことをここ最近の出来事を通してひたすら痛感したけれど、「明日、全部無くなってるんじゃないか」なんて言う風磨くんは万人よりも少しだけ、飲み込むのが上手だったりするのかな。
誰かひとりが違う道を選んだことを、他の3人は受け入れた。ただそれだけのことで、だから言葉を尽くすまでもなくて、3人が何も言わない日々が続く度にその事実を突きつけられている。言葉で補う必要のないくらいシンプルなことで、だから私たちも何かを理解したり納得するのを経由することなく、ただ受け入れる、飲み込むことしか残されていない。それが、つらい。
これまでの当たり前や、勝手に思い描いてしまっていたこれからの未来が壊れることに抗う気持ちが非合理的であることを理解して受け入れられるくらいに、Sexy Zoneは賢くて、優しすぎる人たちだ。それを痛いくらいに知っているからこそ、飲み込んで、受け入れることの間にある気がしてしまう何かが存在しないことも分かってる。だから、つらい。
言葉を尽くす必要のあることなんて何もない。
だから受け入れるには言葉が足りない。
それが、Sexy Zoneが形式的に終わっていくときの、本当の答えになりそうだ。