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剣道の筋力トレーニング③ 正面素振り 首と胸

早速、実践に移りたいと思いますが、まずは、前進後退正面素振りについて語っていきたいと思います。前進後退正面素振りは剣道の基礎項目ではなく「トレーニング」の項目です。素振りをやれば漠然と剣道が上達すると考えると、真の剣道バカじゃないと、いつか飽きて剣道が嫌になって辞めるので、意義を踏まえたうえで、僕は、数を数えなくても目的に合わせれば、10本とかでも構わないと考えております。それよりも、素振りと一緒に素振りに効いた筋肉部分のストレッチも並行に行いましょう

前進後退正面素振りの効果:

背骨を真っすぐにするトレーニング。特に胸椎上部頚椎を伸ばす筋肉が鍛えられる。

要するに、素振りは背中側の胸と首の部分を伸ばし、かつ、筋力トレーニング

ポイント:前進後退正面素振りは、上下素振りと違って、振りかぶって自分の顔付近で急停止させますが、この急停止がポイントであり、前に倒れてしまわないように後ろに重心を移動させているのと背筋に力が入ることにより、首が自然と後ろに引かれるのがわかると思います。ここに背中側の胸と首の部分が伸ばす原理があります。

注意しておきますが、正しい構え・握り方でなければいけません。例えば横から竹刀を握ると、肘が横に向いてしまい、肩が上がりやすくなり、背筋も曲がってしまいます。握り方は本当にチェックをしてください

結局、「自然体」「構え」の項目が、突きまとってくる。

基本的な前進後退正面素振りのポイントはウガ店長をベースに学んでいきましょう。

トレーニングとして、他に意識してほしいポイントとしましては

・足親指で床を踏む......足親指で床を掴むことで正しい力が下半身から上半身に伝わる。親指の重心がかかることで脛骨という太い骨に上半身の体重がかかり、仙骨も締めやすくなる。足小指の方に重心がかかってしまうと腰が反りやすくなってしまい正しい体勢からは程遠くなる。

・振り下ろすと同時に横隔筋を下げる.......横隔膜を意識して、棒を振り下ろすとき、内臓を下に一緒に落とすように意識する。内臓を下へ落とすようにすることによって、重心の安定が得られる。慣れてくると横隔筋を大きく使うことができるようになり、胃下垂が解消され、内臓も上がり、便秘などの解消にもつながる

ついでに、正面素振りから構えに戻るときに、正中線外さないように戻してください。これは実践において、癖づけておいた方が、打突の打ち終わりを狙われた時に一本とられてしまいます。「残身」は刀法的にも癖付けておいた方がいいでしょう。

正しい「正面素振り」をやれば、主に、頚椎多裂筋、胸椎多裂筋、僧帽筋、広背筋(首、胸)に筋トレ効果があります。では、ストレッチも+αで行えば、さらに柔軟性があがり効果倍増という話をしましたので、ストレッチも紹介しておきます。

1、立って両腕を伸ばし指を絡めて組む→肩甲骨を開きながら背中上部を丸める

頭から丸めて脊柱上部を曲げる、肩甲骨を外側に開きます。素振りで使った筋肉を直接ストレッチします

2、仰向けに寝て、胸部分だけ上にむかってあげる

これによって前側の胸周りが伸びて、正しい姿勢を作り上げます。

3、壁の前で横向きに立ち、肩の高さで肘と前腕を壁につく→上体を回す

動画がみつからなかったけれども、同じように胸周りが、伸びて正しい姿勢を作り上げます。肩甲骨を寄せて胸をしっかり張ればOKです。

前進後退正面素振りはトレーニングです。

前進後退正面素振り+ストレッチ

これを合わせてやる。しっかり筋肉のポイントを抑えることができれば2~3日1回でいいです。前進後退正面素振りだけにこだわらなくてもいいです。ほかのトレーニングやりましょう

前進後退正面素振りによるプロの練習方法

これに加えて、私はですね、相手の高さを想定して前進後退正面素振りを行います。

・3~4分割型前進後退正面素振り

「私より大きい相手」「私同じ大きさの相手」「私より小さい相手」と3~4分割して相手を想定し、その高さに合わせて素振りを行います。なので、応用すると右肩の位置、左手の位置がずれますね。本当に自分と同じ高さの相手を想定した素振りの練習のみをしていると、自分より小さい相手に対して面が空を切ったりするんですよね。これは、「小手」も「突き」練習します。え?結構素振りしてるんじゃんね?いや、満足いくまで素振りはしますけど、飽きたらやめますね。

最後に、本当に注意してほしいんですけど、やみくもに本数を数えた素振りなんて無意味です。素振りってトレーニングだから、首、胸回りを固定して身体の安定感を身につけるのが一番の目的です。