熱狂

私は、というか人は
熱狂したいという願望を持っていると思う。

アーティストのライブへ行って騒ぐこと
クラブで音楽に身を委ねて踊ること
スポーツに熱くなること
などはわかりやすく熱狂だと思うし

何かに1人でハマっている（オタク）のようなことも
ある意味で熱狂だと思う。

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今シーズンから
バスケットボールにハマっている。

姉が学生時代バスケをしていて
ワールドカップの熱狂の渦に巻き込まれたのがきっかけで
バスケのB1リーグを見に行かないかと誘われた。

私はお家にテレビがなく
バスケのワールドカップを見ていなかった。
姉ほどの熱意はなかったけれど、
一度観戦の経験をしてもいいかなと思った。
自分がバスケ沼にハマるとも知らずに。

初めて行った試合
ベンチ前のコートから二列目の席という
かなりいい席で観戦をした。

隣の席にいた男性は
すごく立派な一眼レフを持っていた。
彼はこう言った
「僕すごくうるさいと思うので
先に謝っておきますね。」
「あ、わかりました大丈夫です」

試合が始まると
宣言通り彼の応援は素晴らしかった。
つられて私も大声で応援する。
バスケの応援はホームが圧倒的に有利で
オフェンス、ディフェンスの時になる音楽に合わせて
観客が決まったリズムで声出しの応援をする。

私はすっかりハマってしまった。
大好きな音楽ライブと同じ雰囲気だった。
いや、それ以上だった。
目の前で選手が、スピーディーかつ激しいプレーをしていて
自分の声でそのプレーを後押ししている。

応援するということが、こんなに人を熱狂させると
今ままで気づいていなかった。
応援している側がこんなに気持ち良くなるとは。
そして、応援するということ自体に
ビジネスチャンスがあることに、すごく興味を持った。

私はその後
行ける試合に足繁く通い（人気すぎてなかなかチケットが取れない）
応援グッズに身を包み
誰よりも大きな声で応援している。
気持ちはブースター（バスケはサポーターのことをブースターと呼ぶ）
の応援団長をやっているくらいの意気込みである。

みんなで同じユニフォームを着て
同じ応援グッズを持っていることの力強さよ。
カラーギャングの気持ちが今分かった。
推しの色ってあるけど、これはかなり心理をついていると思う。

ちなみに最初の試合で隣だった男性と
その後遭遇したことは今のところないのだけど
もしも再会できたら
「あなたのおかげで私もすっかりハマりました」と
お礼を言いたい。