Vol.100 ソーシャルメディアと手紙の違い【手紙の助け舟】
こんにちは、いかがお過ごしですか。
喫茶手紙寺分室、むらかみかずこです。
大好きなモッコウバラが青空に映える頃となりました。今年は季節の進みが早いですね。感覚的には例年より3週間くらい早いのではないでしょうか。
過ごしやすい今の時季を大事に過ごしたいものです。
先日、インターネットテレビ「ABEMA Prime」に手紙の専門家として出演させていただきました。
番組では、近年SNSで「#文通相手募集」「#ペンフレンド募集」などの文字が多く見受けられることに注目し、「ソーシャルメディアと手紙」をテーマに話し合いました。次の動画でご覧いただけます。
不特定多数 VS 1対1のパーソナルなつながり
ソーシャルメディアはとにかく便利、あっという間に世界中とつながれる楽しく価値あるものですが、リスクと隣り合わせであることも、また事実です。
いつでも自由にだれかの私生活や頭の中を見られるということは、同時にわたしたちのそれも、世間にさらされていることを意味します。
結果、あたりさわりのない表面的なコメントばかりにならざるを得ず、本当の気持ちが言えない/自分らしく表現できないもどかしさ、イライラ、虚無感が募りやすいのです。
一方で、手書きの手紙は1対1のパーソナルなつながりです。胸の内を吐露しやすく、なんの忖度もない純粋な気持ちを伝えられます。
伝えられた、表現できたという喜びは自己肯定感を高め、自信につながります。生きる歓びにすらなります。相手との心の距離が縮まるだけでない、自分の心にも効くのです。
即レス VS 相手本位のつながり
時間がゆっくり流れているのも、手書きならではのよさです。
ソーシャルメディアやLINEはレスの速さ重視。既読の有無、即レスの有無。それが気を揉ませ、ときに心をつかれさせ、依存を生みやすくします。
一方で、手書きの手紙は人の手を介してゆっくり届けられます。返事がいつくるかわかりませんし、そもそも返事を期待するものでもありません。
返事の有無やそのペースは完全に相手にゆだねられます。その自由さが心地よく、なんの制約もない、自立した者同士の心のつながりを生みます。
引き出しを多く持つ
●書き方がわからない
●もらったところで、捨てるのはしのびなくて、困る
●重い(言葉の力が強く感じられる)
●手間がかかる
●そもそも書くための道具を持っていない
●字がきたない
など
手書きの手紙に対するネガティブイメージは引きも切りません。
しかしながら、目上の人に敬意をもって大切な連絡をしたいときや謝罪の場面、推しへのファンレターなど、手紙だからこそ功を奏する場面も確実に存在します。
価値観が多様化している今、コミュニケーションツールは一つでも多く持っているほうが得をします。自己表現の手段の一つとして、上手に取り入れていくといいですね。
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