胎児エコー:血流評価
今回は胎児エコーで行う血流評価についてです。
胎児エコーで胎児推定体重を算出して週数より小さい場合
発育遅延や発育不全といわれます。
その際に胎児循環に異常がないかを血流評価をしてみていきます。
胎児エコーについてのまとめはこちら
【臍帯】
胎児循環をみるために確認する血流評価は
主に臍動脈血流と中大脳動脈の2つがあります。
臍動脈はへその緒の動脈で中大脳動脈は脳の血管です。
中大脳動脈は細いため血管自体の観察は難しいのですが、
臍動脈のあるへその緒は血管の観察が可能です。
血流を計測する前に血管自体に異常がないかチェックしていきましょう。
これは臍帯のチェックポイントです。
臍動脈が2本あるか、付着部が胎盤から離れていないかみましょう。
次に血流評価をしていきます。
【血流評価】
MCAを計測する中大脳動脈は頭部の向きによっても描出が可能か変わるので
計測が難しい場合があります。
しかし、MCAを計測することで得られる情報量は増えます。
UmAを計測するだけでも評価は可能ですが、
MCAも計測できるようにしておきましょう。
個人的には胎児推定体重が週数相当でも単一臍帯や卵膜付着の場合は
急に血管抵抗が高くなることがあるためUmAを計測するようにしています。
これは施設にもよるかもしれませんね。
今回の内容は少し難しいですが、
妊娠継続可能かに関わる重要な部分である血流評価をまとめてみました。
妊娠中期~後期の子宮内胎児死亡を予測できる検査なので、
しっかり理解しておきましょう。