胎児エコー:羊水
今回は子宮内の赤ちゃんの周りにある水、羊水についてです。
外部からの衝撃を吸収したり胎児循環に大きく関与する羊水。
胎児エコーでも羊水の評価というものがあります。
一緒にみていきましょう。
胎児エコーについてのまとめはこちら
【羊水】
羊水量の計測方法は2種類あります。
羊水ポケット法は母体の臍より上まで子宮が大きくなっていない20週未満の時や双胎•品胎など多胎の時に使用します。
AFI法は単胎で臍より上まで子宮が大きくなった妊娠中期~後期の時に使用します。
毎回計測するのが確実なんですが、簡易的な方法として画面の両端にうつる深度を示すスケールを私はよく使っています。
AFI法であれば計測する4つのエリアをサーっとみて
4つのエリアの羊水深度が全て2㎝以上5㎝以下であれば
AFIは8㎝~20㎝なので正常です。
全て2㎝以下や5㎝以上の場合はしっかり計測していました。
多胎や子宮の形に偏りがある場合(子宮奇形といったりします)は
AFI法で正しく測れないため毎回羊水ポケットを計測していました。
続いては結果の解釈についてです。
羊水は計測して終わりではありません。
何故、そうなったのか原因を調べる必要があります。
もちろん何も異常がない場合もありますが。
母体が原因の場合は胎児エコーでは何もできないのですが、
胎児に原因がある場合、しっかり胎児エコーで検査する必要があります。
また、羊水過少の場合の血流計測も重要です。
羊水が少なく子宮壁と胎児の間に十分な空間がないと臍帯に負荷がかかり
血管抵抗があがります。
妊娠継続が可能か慎重に判断が必要な部分のため
羊水過少時は検査しておくといいでしょう。
羊水のエコー検査は直接何かの異常となることは少ないですが、
他の異常を間接的に知ることができる検査です。
しっかりポイントを押さえておきましょう。