離乳食の準備③「あぐあぐ」で噛む練習をしよう【0歳5ヶ月】
離乳食の準備②では、味覚の窓へのアプローチとともに、嚥下の練習をしていきました。うちにいる赤ちゃんは嚥下が案外上手だったのと、自分で食べる!というやる気に満ち溢れていたので、嚥下の練習と並行して、「あぐあぐで噛む練習」もしてもらうことにしました。
あぐあぐとは
歯ごたえがある食材、簡単に飲み込めないような硬さの食材を7-10cmの棒状で提供し、赤ちゃんが自らの手で食材を持って口に入れ、あぐあぐと噛む練習をすること。
噛む練習をすることで唾液が出て嚥下の練習にもなり、様々な食材を試してもらうことで味覚の窓へのアプローチにもなります。また、手と目と口の協調運動の練習、咀嚼運動の練習にもなりますので、その後しっかり噛める土台を作っていけるものだと思っています。
※にんじんや大根は硬いのですが、ポキっと折れやすいので特にあぐあぐ初期では注意が必要です。あぐあぐしやすい食材については下記に紹介します。
並行することについての解説
従来型の離乳食では、「離乳食初期」→「中期」→「後期」と、段階を経てステップアップしていきますが、わたしの提案させてもらっている離乳食では「嚥下の練習」⇔「あぐあぐ」⇔「もぐもぐごっくん」はすべて並行して行えます。
あぐあぐできるようになると、あぐあぐにより唾液がでることで嚥下の練習&あぐあぐ食材にて味覚の窓へのアプローチが可能ですが、例えば出汁など「スプーンを使ったほうが口に入りやすい形態のものの味」を知ってもらいたいときには、無理して手づかみさせるのではなく、スプーンを使って少しだけ口に含ませてやります。そのほか、「アレルギーを起こしやすい食べ物」は最初から手づかみ食べさせるのではなく、安全性を鑑みてスプーンで少量ずつからはじめることをオススメしています。
また、あぐあぐ練習が上手にできてきたら、その延長で、もぐもぐごっくんしていくことにより食材を身体に取り込んでいきますが、もぐもぐごっくんしだしたらすべてを「噛んだら飲み込める食材」にしなければならないわけではありません。あぐあぐ食材をもぐもぐごっくん期にも提供していくことで、「噛んだら飲み込めるもの」と「噛んでも飲み込めないもの」の違いを知ることができますし、舌の運動や飲み込みの練習も継続して行うことが可能です。
BLWでも養育者が多様な食材を提供することが推奨されており、様々な食材に触れる道中でもこのようなことは起こっているのですが、口腔育成の観点から丁寧に言語化すると、こんな感じになります。
実際にあぐあぐした食材
そのほかあぐあぐしてもらったもの
・キャベツの芯
・硬めに茹でたにんじん
・硬めに茹でた大根
・小松菜の茎(あぐあぐというよりしゃぶしゃぶ)
・ごぼう
この時期の発達段階としましては、ずり這いしはじめたところです。腰が座ってないので離乳食をぱくぱく食べるにはまだ早そうだけれど、本人がやる気に満ち溢れていたため、親の膝に座らせてあぐあぐさせることもあれば、ハイローチェアに座らせてあぐあぐしてもらったこともありました。やりたいなら安全にできるように環境を整えるという本人の意志を尊重する姿勢は、BLWと一致すると思っています。本人のやる気を削がずに支援していける環境を整えるのが親の役割であり、その方法をお伝えするのがわたしたち支援者の役割ではないかと思っています。
引き続き、様々なテクスチャと味を試してもらえるよう、【嚥下の練習】⇔【あぐあぐ】⇔【もぐもぐごっくん】を並行して行っていく予定です。