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手づかみ食べの時にもスプーンを有効に使う場面2選

こんにちは。歯科医師県保育士の、にのゆきです。
赤ちゃんが食との良好な関係を築けるよう、手づかみ食べをおすすめしておりますが、スプーンを使うこともあります。今回はスプーンを有効に使う場面とその理由をまとめていきたいと思います。

1.味覚に対するアプローチをしたい時


「離乳食の準備②ごっくん嚥下の練習&味覚の窓を開けよう【0歳5ヶ月】」の記事にも書いたのですが、4〜7ヶ月の赤ちゃんには味覚の窓という時期が存在します。この時期に様々な味を体験させてあげることで、その後の好き嫌いが減ると言う研究があります。
こちらは食事ではなく、味の体験という形で行いますので、量としてはごく少量。スティック野菜やあぐあぐしやすいもので試しても良いのですが、4〜5ヶ月のいわゆる離乳食前、もしくは離乳食超初期では手づかみもできませんので、スプーンで出汁やヨーグルトなどを試していきます。試しつつ、ごっくんできるかどうか(=喉が成長してきているかどうか)を見ながら、あぐあぐ食材に移行する時期を検討します。

余談ですが、味覚については原始反射としての味覚、感覚刺激としての味覚、言語表現を含めた文化的側面としての味覚など、解剖学的な話以外にも様々な要素が絡んでいるので、いつかこちらについてもまとめてみたいなあと思っています。

2.アレルギー食材を試してみる時


スプーンを使う場面としては、こちらが大本命。アレルギーを起こしやすい卵、小麦、牛乳に関しては、スプーンを使って一口から様子を見てみるという、従来型のやり方が安全だと考えています。

特に卵は授乳・離乳の支援ガイドの改訂により、離乳食中期から(7~8ヶ月)とされていたものが離乳食初期から(5~6ヶ月)に変更となりました。最初は耳かき一杯分をスプーンに乗せて、経皮感作を起こさないよう肌につかないように口に運んであげるのがアレルギー対策の面から考えると安全な方法です。様子を見て大丈夫そうなら量を増やしていき、ある程度の量が食べられることがわかってから、手づかみ食べに移行するのが良いのかなと思っています。

手づかみ食べなのにスプーンも使うの?とご質問をいただくこともあるのですが、離乳食の目的は「赤ちゃんが食との良好な関係を築けるようにすること」。味覚を広げたり、アレルギーを確認したりすることは、食との良好な関係を築くための行動です。そのためにスプーンを使ったほうが良い場面もありますので、「絶対に手づかみじゃなきゃいけない」「スプーンは発達に良くない」など決めつけることはせず、「この目標のために、この場面では、これも使った方が良いよね」と柔軟に考えていけたら良いのかなと思います。

スプーンの種類
今回の記事の目的を達成するためには、浅めで、赤ちゃんの口に入りやすい(口の周りに食べ物が付着しにくい→経皮感作を起こす可能性が低い)サイズのものをお使いください。にの家ではセリアのアイスクリームスプーンを使っています。

浅くて短くて使いやすくてアイスも食べれちゃう

もっとこだわるなら、「ののじ」のスプーン。こちらは歯科衛生士✖シェルハブメソッドのひとみさんに教えてもらいました。ひとみさんは毎月一緒に勉強会をしている仲間です。

赤ちゃんの様子を見ながら、柔軟に。
答えはいつだって赤ちゃんが持っています!

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