#02【何もない主婦がフリーランスになるまで】憧れの人に会いに行く
↑前回のお話
スキルもキャリアもない、実績も何もない普通の主婦がフリーランスの世界に飛び込むまでをシリーズで書き綴ります。
前回は、限界社会人を経て逃げるように結婚退職したダークなお話でした。
続きです。
夢の専業主婦生活で溶ける
退職後は予定通り結婚式を挙げ、引っ越しをして、夢の専業主婦生活が始まなった。
朝は早くから起きて夫のお弁当を作り、午前中に苦手な掃除を適当に済ませて晩ご飯を作る。
午後はダラダラゴロゴロしてテレビを見たり携帯を触ったり。
深夜夫が帰宅するまで待って一緒にご飯を食べる。
ちょっとの後ろめたさも感じながら、それでもお気楽に過ごしていた。
(ニートをさせてくれた夫に感謝。)
働いていたことはもう遠い記憶になっていた。
ストレスのない生活が溶けるように幸せだった。
新婚生活も落ち着いてきた頃にパートに出ようと考えた。
けれど、
「コンビニ」「スーパーのレジ打ち」「アパレル」「医療事務」
どの求人を見ても「私にできないものばかりだ」と自信が持てずに、ぬくぬくした安全な生活から抜け出せずにいた。
働くことが怖い。二度と働きたくはない。
突然の出会いでセンスに釘付けになる
そんなある日、SNSで見つけたアクセサリーに一目惚れをしてそのブランドの大ファンに。
アクセサリーは造形、カラーともにセンス抜群で、誰にも真似できないそのアートすら感じるバランス感に惚れ込んだ。
どんな人がデザインしているのかとデザイナーを調べてみたところ、モデルのように美しくて、人を惹きつけるオーラのある女性だった。
ま、、眩しい。
う、、、美しい。
磁石のように吸い寄せられてすっかりトリコになってしまった。(恋をしてたのかも。)
そこからアクセサリーとデザイナーの発信を追い続ける日々が始まった。
自分の枠の外に一歩出ること
ある日そのデザイナーが、自身初となるポップアップ(リアルでのイベント販売)をすると知った。
都会開催だとばかり思っていたら、まさかの同じ県内在住らしく電車で行けるところでイベントが開かれるらしい。
それまでアクセサリーはオンラインのみで購入していたので、
会える!
本人に会って直接購入できる!
と舞い上がった。
行く、行かない、行く、行かない、行く。
よし、行こう。
いや、やっぱり行かない。
でも行きたい。
出不精で、コミュ障で、人見知りで、お家大好きで一歩も出たくない人間が一大決心をしてイベント開催地である高級セレクトショップまで行こうと決めた。
おそらく場違いだろうけど、
挙動不審な人になる自信があるけど、
それでも思考より体が動いた。
リアルが全てを凌駕する瞬間
実際に行ってみたら想像通りキラキラな場所で心底怯えた。
けれど、そこで晴れて憧れのデザイナーに直接会うことができた。
お話をして、握手をしてもらい、感激。
(まさかの私のSNSを認知していてくれて震えた。)
目を見てゆっくりとお話してくれ、謙虚で深い愛を感じた。
見た目だけでなく内面も素晴らしい方だと知ってますます好きになってしまった。
それがきっかけとなり、その後もリアルイベントが開催されるたびに会いに行き、お話をして彼女を応援した。
リアルで会うことほど強いことはない。
リアルってすごい。
実際に会うたびに心の栄養が満タンになった。
また、大好きなアクセサリーから着想した水彩画を書いてプレゼントしたら、それを気に入ってくれて別のイベントで飾ってくれたこともあった。(今思い出すとなかなかに気持ち悪い)
すごく小さいけれど、自分の好きなことのために勇気を出して枠の外側へ行動する、を繰り返した出来事だった。
この枠の外へ一歩出た出来事が全ての始まり。
ただの主婦の人生が少しずつ変わっていく。
3へ続く。