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石油であそんでみた(解説版)


今回は石油で遊んでみました。
,,,ので石油について解説書いてみますね
かなり細かい内容になってるので、時間あるときとかにちょいちょい読んでもらえればです。

石油のでき方

石油の大部分は、大昔(数千万年以上前)の海底に微生物の死骸が大量に沈み、それが長い時間をかけて熟成した、いわば化石のようなものです。
植物の化石からできた石炭とともに「化石燃料」と呼ばれます。

存在

海底でできた石油は泥や泥が圧縮されて固まってできた岩石に混ざって含まれています。この石は「頁岩」と呼ばれます。
特に石油を含む頁岩は「油母頁岩」(オイルシェール)と呼ばれます。
石灰岩など、頁岩以外にも石油は含まれており、これらをまとめて貯留岩と呼びます。
このオイルシェールの層が地殻変動で曲がったり、傾くと、石より油は軽いので上に移動します。
この時上に岩盤があると油はそれ以上上に行かず石油がたまっていきます。
この石油だまりを探査し掘り当てると石油が噴き出します。
圧力が低い場合は噴き出さないので、注水したりして圧力を上げて取り出します。

石油は、地下にあるものをくみ上げるため、圧力やポンプの力が足りないと、まだ沢山残っていてもくみ上げることができず掘るのをやめることになります。

オイルシェール

先述のとおり、石油を含む泥岩を「オイルシェール」といいます。
昔から存在は知られており、膨大な量があることが分かっていました。
当然含まれる石油の量も膨大です。
オイルシェールの層に水や薬品を流し込んで岩盤を粉々に破壊することで取り出すことができますが、コストが高いので実用化はされていませんでした。
しかし近年石油価格が上昇するに従い採算がとれるようになってきました。
アメリカなどで盛んに利用されています。

石油のある場所

石油は世界中に広く産しますが、特に有名なものを紹介します。
恐竜がいた時代、地球の大陸は今とは違う位置にありました。
そのため海も今とは違うところにありました。
そんな海の一つにテチス海があります
テチス海は温暖で、水の流れが小さくよどんでいました。
このため沢山の微生物が繁殖し、流れて分散することなく大量にたまり石油も沢山出来ました。
テチス海はその後バラバラにちぎれて
現在の地中海・黒海・カスピ海・(ペルシャ湾)になりました
そのためこれらの地域には石油が多く産します
例えば、石油で有名なサウジアラビアや、ドバイのあるUAEペルシャ湾にあります。
かつて世界最大の油田であったバクー油田カスピ海にあります
今ホットなウクライナクリミア半島黒海に面しており石油が見つかっています。
それ以外のテチス海から離れた地域でも石油が産します
ロシア西シベリアやアメリカのアラスカ、南米ベネズエラマラカイボなどがそうです

始めは陸地で掘られていた石油ですが、陸上のもののほとんどが見つかり、新しい油田は海底で探査、採掘されています。
アメリカのメキシコ湾岸油田、イギリス北海油田が代表的です。
メキシコ湾岸はWTI・北海は北海ブレントというブランド名で取引され、
世界の石油価格に大きな影響があります

石油の利用

石油は現在身の回りの様々なものに利用されていますが、初めからそうだったわけではありません。
どのように利用が広がっていったのか詳しく見てみましょう。

分留

まず、真っ黒な石油からどのようにして様々なものが作られるのか?
石油は、灯油、重油など複数の物質が混ざってできています。
これらをきれいに分けることで使えるようになります。
では、混ざってしまった液体をどのようにして分けるのでしょうか?
それぞれの物質は沸騰する温度が違います。
ですから、欲しい石油製品、例えば重油の沸騰する温度まで原油を温めて蒸気になった灯油を再び冷やして回収するのです。
これを分留(ぶんりゅう)といいます。
採掘された石油は、この分留装置にかけられ、灯油や重油やその原料に分けてからそれらを使う場所へ持っていきます。


燃料

石油の大きな利用は照明、つまりランプがスタートでした。
ランプには元々魚や植物の油が使われていましたが、それだけでは足りなくなり石油を処理して作った灯油が使われました
このころは石油の中の灯油以外の部分はあまり使われていませんでした。
動物の皮膚病の塗り薬として一部使われていたようです。

今から200年ほど前、交通手段としては馬や徒歩が主流で、移動手段のための燃料はほとんど使われていませんでした。
鉄道が出た後も石炭を使う蒸気機関が中心で、石油は燃料としてはしばらく使われていませんでした。

1880年ごろにガソリンエンジンが発明され、1908年ごろに自動車が普及すると、燃料としてガソリンが大きく使われるようになります。
さらに1900年代初めに戦争や工業化に伴ってエンジンや乗り物が進歩し一般の人が利用する乗り物の燃料に石油から作られた燃料が使われるようになります
トラックや戦車、自動車にガソリンやディーゼルが
船に重油が
飛行機にケロシンが使われるようになります
すべて石油から作られる燃料です

化学原料

石油のほとんどは燃料に加工されていますが、それ以外にも、プラスチック製品としても私たちの身の回りにも存在しています。
100均などには沢山のプラスチック製品がありますよね
ペン・消しゴム・ボトル・おもちゃ。それらを入れるレジ袋も石油です
しかし、これも初めから石油によって作られていたわけではありません。
始まりは石炭でした。

今から200年以上前、当時のドイツでは急激に科学が発展していました。
その中心に染料や絵の具の化学があります
このころ、絵の具の中で、青はとても高級なものでした。
アフガニスタンやイランなどヨーロッパから遠く離れた限られた場所でしか採れなかったからです。
しかし、ドイツで牛の血などのありふれたものから青い染料を作ることに成功しました。プルシアンブルーです。
貴重なもの、珍しいものをありふれたものから作る。
化学合成はこうした錬金術の魔法のようなものを可能にしていきました。

ほかにも、貝の内臓から少ししか取れなかった紫色の合成
東南アジアでしか取れない香料、安息香の成分を合成した安息香酸の合成
意外と難しい落ちにくい黒色を作るアニリン反応
世界は科学によって珍しい世界の宝を次々と手に入れていきました。
この中心には石炭がありました。
ドイツの西部に石炭が大量に産しこれを燃料以外にも使う試みから石炭化学が発展していったのです。
こうした化学合成品の輸出と生産で、ドイツは1900年ごろには世界で最も豊かな国の一つになりました。
ところで、石炭は炭素と水素からできています。
石油も同じく炭素と水素からできています。(炭化水素
どちらも同じ物質からできているので、石炭化学は石油化学に応用できる部分が沢山ありました。
初めは石炭と同じように貴重な物質の代用品を作るところから始まります。
エボナイトは高級木材の黒檀の代用。
プラスチックは象牙やクジラの骨の代用として開発されました。

原油の副産物

原油には、化学合成や燃料に使える、重油や軽油やナフサといった成分の他に油ではないものも含まれています。
代表的なものが硫黄です。
海の微生物の体にはしばしば硫黄が含まれています。これが石油に溶け込むのです。
硫黄はタイヤに使うゴムをタイヤとして使える強度にするのに欠かせません
マッチや殺虫剤、肌荒れの薬、など沢山の用途があります。
また硫黄から作られる硫酸は、様々な化学合成に重要です
かつて硫黄は火山から危険な毒ガスと戦いながら採掘していましたが、石油から工場で沢山とれるようになったため、そうした必要はなくなりました。

岩塩

現在アメリカは世界1の原油生産国ですが、アメリカの油田には、別の宝物と一緒に見つかったものがあります。
それは岩塩、陸地で見つかる塩です。
アメリカの南部、テキサス州にはかつて海であった部分があり、その海の塩が地中にたくさんたまっています。
なかには塩の塊が丘を作っているものもあります。
こうした塩の塊を岩塩ドームと呼びます
この岩塩ドームの周辺には石油や天然ガスが沢山たまっていることがあります。
この岩塩ドームを目印に沢山の油田が見つかり、テキサスは世界有数の石油生産地になりました。


石油は様々な形で私たちのそばにあります。
この記事をきっかけに、石油に関心を持っていただければ幸いです
                 
                             







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