
夜中の読書
子供の頃のように朝まで通しで眠れることは滅多にない。夜中に目が覚めてなかなか寝付けない時は読書が一番効果的。これにはKindleが役に立つ。ベッドの横の読書灯を灯すことなく、なんなら布団を頭からかぶってぬくぬくと本の世界に没頭できる。数ページで睡魔が襲ってくる事もあれば、物語の中に長時間留まることもある。昼間はなかなか思うように本を読む時間が確保できていないのでいずれにせよ儲けもんだ。
このところ夜中の読書に私が選んでいるのはアメリカの作家Elizabeth Stroutの一連の作品。出版されている彼女の全ての作品を何度も繰り返し読んでいる。今はOh William(早川書房から『ああ、ウィリアム』として翻訳が出ている)の3巡目か4巡目。
ストラウトの作品はいずれも小説というよりは登場人物や舞台が一定の短編が連なっている形で書かれているので夜毎区切って読むのに適している。作者もインタビューなとで説明しているが、頭に浮かんだ場面を順不同に書きためて後で繋げて一つの作品に仕上げるそうだ。
ウィリアムは物語の語り部ルーシー・バートンの元夫。2人は離婚した後、お互いが別の伴侶を得ても良好な関係を維持している。それぞれの結婚、娘たちの結婚、親たちの結婚について様々なエピソードが散りばめられていて読みながら自分の結婚に照らし合わせて思いを巡らせる。
そういえば、母も最近は午前4時頃には目が覚めてしまうらしく、起床には早すぎるので寝床で読書をするそうだ。彼女のベットの横にはモンゴメリの赤毛のアンシリーズが積み上げてある。
何度も読み返した本の中の世界は覚醒と睡眠の間のちょうどいい領域なのかもしれない。