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鉄工所で過ごした秋の1日

本日は夫のパッティングロボット製作をありがたく引き受けてくれた鉄工所で丸一日過ごした。日差しの入らない工場は肌寒く、私のためにガスファンヒーターまで付けてくれていた。

このロボットの製作については以前にも書いた梅さんが作ってくれているものの他に近所でも引き受けてくれる鉄工所を見つけたのだ。梅さんとはお金の話で少しギクシャクして、その話は以前書いたが、

梅さんが作ってくれるのかどうか雲行きが怪しかったので引き続き他も色々あたってみていたのだ。結局、梅さんも一旦は難しい事を言っていたが梅さんバージョンのロボット製作も順調に進んでいる。

今日お邪魔した鉄工所はお爺さんが1人で運営している。以前は職人もたくさん雇って大きな仕事も受けていたそうだが(メジャーなところでは上野松坂屋ビルの鉄工部分とか)奥さんが亡くなって事業を縮小し、今は唯一の取引先であるコンテナ業者から送り込まれるコンテナの修復をひたすら朝から晩までこなしているらしい。我々が初めて訪れた時も黙々とコバルトブルーのコンテナーを修理していた。夫がロボット製作を依頼したいと切り出しても最初は忙しいから難しいと断られそうになったのだが、日本人特有の曖昧であまりはっきりとしないNoだった。あちこち聞いて回ってなかなか快い返事を得られずイライラしていた私は
「無理なら無理とハッキリ断ってください。」
と食い下がった。すると、不思議と向こうは少しずつ折れてきて、細かい指示を夫が横で出して私がそれを日本語に通訳するという形で作業を進めるのであればできなくもないと言ってくれた。その場合、我々の依頼に応じるために工場を1日その作業専用にするためコンテナ業者に1日休む事を承諾してもらう必要がある。3週間先になってもよければ引き受けても良いと言ってくれた。その日が今日だった。

朝10時にスタートし、まずは夫が参考に作った木製のモデルの寸法に合わせて鉄パイプをカットしてもらい、それらの位置や角度をモデルにあわせて丁寧に決めていった。

決まったところからしっかり溶接してもらった。一旦溶接した後に角度が間違っていた事に気づき修正してもらう事も何回かあった。このロボット製作はそんなに難しくないと思っている夫は2、3時間くらいで出来上がると踏んでいたらしいが、結局朝10時頃に始めて間に休憩を1時間入れながら夕方6時までしっかりかかった。

「いやぁ、ご主人は簡単な事だと思っているみたいだけど、これは結構難しいよ。そりゃあ、なかなか引き受けてくれるところがなかったのも当然だ。」と苦笑いしながらもなんとか仕上げてくれた。

仕上がりを見てその場ではとりあえず
"Perfect!"
と満足気に言っていた夫だが、帰り道でポロッと
"We've made a mistake on the angle of the spine."(背骨の角度を間違えたなぁ)
なんて言い出した。

「ほらね、そんなに簡単じゃないでしょ?」
と鉄工所の所長さんにまた苦笑いされる事になりそうだ。

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