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ひと味違った西部劇

昨夜たまたまAmazonプライムで見つけた映画が大当たりだった。

夫は西部劇が好きなので、2人で何か映画を観ようとなった時は西部劇の中から探すことが多い。昨日も「西部劇」と検索してヒットした映画の内の一本がこのHomesmanだった。(邦題はミッション・ワイルド。酷いネーミングだ。そのままホームズマンとすれば良かったのに。)
主演がヒラリー・スワンクとトミー・リー・ジョーンズというだけである程度のクオリティは期待できると思って見始めた。

映画の導入部分は断片的で何が起きているのか分かりづらいのだが、だからと言って気が散る訳でもなく、むしろこれは一体どういう事?と好奇心が刺激されて先が知りたくなった。

極め付けはヒラリー・スワンク演じる女性が男性に夕飯を振る舞った末に自ら結婚をプロポーズするのだが支配的で見かけが地味だからという理由で断られるシーン。「結婚相手は東部に戻って探してくる。」と言い捨て男性は逃げるように彼女の家を後にする。

この先この女性に一体どんな展開が待っているのだろう。気になって見続けずにはいられない。

映画のタイトルHomesmanとは移民を故郷まで連れて帰る役目を担った人間(当時は厳密には男性の役目だった)を指す。この映画ではヒラリー・スワンクが演じるメアリー・ビー・カディーという女性がその役目を買って出る。開拓民の厳しい生活環境の中で気が触れてしまった女性3人をアイオワ州にある施設まで送り届けるという任務を。流石に女性1人だと心細いのでトミー・リー・ジョーンズ演じるジョージ・ブリッグズというならず者が用心棒として雇われる。

全編を通して物語は淡々と進み、主人公たちはひたすら荒涼とした西部の大地をアイオワ目指して東へと向かう。

あまり多くは説明されず、その分観る側の解釈に委ねられる部分が大きい。

勧善懲悪でもなく、ハッピーエンドでもない。

だが、観終わった後に何度も反芻したくなる映画だ。西部開拓時代を舞台にしながら、現代アメリカを表すメタファーとも捉えられる。

後からググってみたら監督はトミー・リー・ジョーンズ、公開時にはカンヌでパルムドールの候補にもなり、批評家からも高く評価された作品と判明。

BOSS、地球でいい仕事してますな。

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