3泊3日グアダラハラ小旅行(1泊目)
先週、夫とグアダラハラに行って来た。
グアダラハラは我らが暮らすメキシコ、ハリスコ州の州都。
人口からするとメキシコシティに次いでメキシコ第二の都市。
我が家のあるプエルト・ヴァジャルタも人口増加が著しいが
バスがグアダラハラの街に乗り入れた瞬間「都会だなぁ〜」
と初めて訪れた前回同様今回も思わず心の中で呟いてしまった。
それまでの車窓の景色が道中越えた幾つもの山々と延々続くテキーラ畑、たまーに点在する納屋や人家といったものだったから尚更そう感じたのかも知れない。
プエルト・ヴァジャルタからグアダラハラまでは直行バスで通常4時間から5時間。午後2時発のバスに乗った我らはちょうどラッシュアワーに合わせてグアダラハラ入りすることになり、グアダラハラ都市圏内には着いたもののそこから延々バスターミナルまでほとんど動かない車の列に巻き込まれてしまった。結局目的地の中央バスターミナルについたのは午後9時だった。渋滞にハマった段階で夫は「バスはもう懲り懲りだ!帰りは飛行機にしよう。」とバス料金とさほど金額が変わらない航空チケットをさっさとネットで予約した。幸いバスのチケットは片道で購入していたので帰りのチケットをふいにしてしまうこともない。
今回の宿は出発前に予約してあったラディソンホテル。当日朝簡単なネット検索で上がってきた幾つもの宿の候補から①名の通ったホテルグループに所属している(我々にとってそれほど重要な要素でないにしてもとりあえずの目安になると言う意味で)②写真に写っている部屋や施設の感じが良い③その割に値段が安いという理由で選んだ。クレジットカード情報を入力し、予約及び宿泊料金前払いを完了した直後、夫と私は念のためレビュー評価を確認した。順番が逆だろうと思われるだろうがその通り。なぜか我々は先客によるレビューを確認せずに宿を決めてしまったのだ。そして、肝心のレビューはどれもこれもあまり芳しいものではなかった。『従業員の態度が悪かった』、『併設レストランが提供する食事が不味かった』、『夜通し耳に入る騒音(高速を走る大型トラックや吠え続ける近所の犬)のせいで睡眠を妨げられた』といった内容のものが幾つも連なっており、好意的な評価は極めて少なかった。「なんで先にこれを見なかったんだ?」と二人で首を傾げたが後の祭り。とりあえずホテルとして営業を続けられているのだから最低限の質は期待できるだろうと覚悟を決めた。
バスターミナルからホテルまではタクシーで10分。見出しの写真はホテル到着直後に入り口から撮影した夜景。小高い丘の上に位置するこの宿からの眺めはとりあえず申し分なかった。チェックインのためロビーを進んでいくとカウンターの奥には若い女性が一人。早口のスペイン語で一方的に捲し立てられ、夫はとりあえずフルネームを名乗った。夫はネットで予約した際に既に支払い済みと思い込んでいたがどうやらそうではなかったらしく支払いを要求された。夫は英語で既に支払ったと主張したが相手はスペイン語で何やら言い返してくるだけで埒があかない。英語を喋るスタッフはいないのかと訊ねてようやく奥から男性が現れカタコトの英語で我々に状況を説明した。ネットでクレジットカード情報を入力した際には部屋を押さえるためのギャランティーとして要求されただけで実際の支払いはチェックイン時に行われる流れなのだと。不安ならクレジットカード会社に連絡して貰えば状況が明らかになるとも。とりあえず一件落着。しかし、最初に対応してくれた若い女性従業員の不貞腐れた対応はレビュー通りだった。
状況を説明してくれた男性が部屋まで案内してくれた。部屋自体は写真で見た通り広々としており部屋の窓からも美しい夜景を臨むことがことができた。この時点で既に午後10時近く、我々は昼から何も口にしていなかったのでかなり空腹だった。案内してくれた男性に確認したところホテルのレストランがまだ営業中ということだったので部屋に荷物を置いて一段落したところで早速レストランに向かった。
ホテルの中庭に面しているレストランはひたすらだだっ広く、外の席を選ぶこともできた。全部で優に50組近くは収まるであろうところに我々が到着した時点で室内に3組、外に2組ほど先客があった。それに対して異様にウェイターの数が多い印象を受けた。その割になかなか注文を取りに来てくれない。ようやく近づいてきたウェイターにオーダーしたビールはなかなか出てこず、ようやくありつけたハンバーガーもレトルトのものを温めた感満載で空腹はどうにか満たしてはくれたものの味に関しては言わずもがな。
部屋に戻り、シャワーを浴び就寝。とりあえず2、3時間ほどの睡眠から目覚めてみると、夫は横でiPadと睨めっこ。近くのハイウェーからは長距離トラックの排気ブレーキの音がひっきりなしに聞こえてくる。最初耳にした時飛行機の離発着の音かと勘違いするような音だった。音は上に向かって響くのでハイウェー横の丘のてっぺんに建つホテルはトラックの音が一番よく聞こえる場所なのだろう。それでも私は浅い眠りを数回繰り返すことができたが、音に敏感な夫はその晩ほとんど眠りにありつけず
人がレビューに書いていることは今まで想像していた以上に正確なんだなぁと変なところで感心した。
さて、あと二晩もここに宿泊するのは耐えられないと判断し、翌朝夜明け前にネットで別の宿を予約した。既に支払い済みの前夜と当日分の代金は諦めざるを得なかったが1泊分は返金してもらい、とっととこのホテルを後にした。
我々は気持ちをリセットしグアダラハラでの初日に望みを託した。