見出し画像

クレヨンとオイルパステルーークレヨラの場合

私が海外のメーカー、クレヨラの代表的商品であるクレヨンにがっかりした理由は、その特徴(発色と硬さ)が、日本製のクレヨンと全く違ったものであったためです。

しかし、本来は、クレヨラ社の「クレヨン」が、世界的に認識されている「クレヨン」であるようです。

日本でクレヨンとして出回っているもの(代表的なものとして、サクラ社ぺんてる社のクレヨンを念頭に置いています)は、クレヨンではないのか?そもそも、クレヨンの定義とは??

上で挙げた日本の2社には、クレヨンのほかに人気の製品として、「クレパス(サクラ社)」と、「パステル/パッセル(ぺんてる社)」があります。どちらも使用したことがあるのですが、特に使い分けるということはなかったので、改めて違いを調べてみました。

以下、サクラ社のサイトからの引用です。

クレヨンというのは、本来は顔料固形ワックスで練り固めたものです。しかし、現在では日本製のクレヨンには顔料と固形ワックスだけでなく、その他に体質顔料(注:無色の顔料)と液体油も混ぜて、よりなめらかに描きやすいよう軟らかめにさせています。ただし、海外では体質顔料と液体油を混ぜない本来の硬いクレヨンが依然として主流のようです
(略)
...パステルのように自由に混色ができてのびのび描け、クレヨンのように後処理の手間がなく、しかも油絵具のようにべっとり塗れて画面が盛り上がるような描画材料の開発が進められました。(注:これがクレパス)

次に、ぺんてる社の「クレヨンとパステル/パッセルの特徴の違いは?」という説明

◯クレヨン
パッセルより硬めで、紙上を滑らかに滑ります。「線描き」を中心としたお絵描きに最適です。
◯パッセル
柔らかめで、紙に着色しやすく、伸びもよい。面塗りを中心にしたお絵描きに最適です。

これを読んで改めて2つの違いを考えると、建前はクレヨンには油分がなく(少なく)、一方のクレパスやパステル/パッセルは油(オイル)が入っている(多い)、オイルパステルの部類に入るとまとめることができそうです。言われてみると、クレヨンは確かに、ぬるっとした滑らかな感触があり、重ね塗りをするとクレパス/パステルより若干下の色が透ける...気がします。

クレヨラ社の話に戻ります。クレヨラ社のクレヨンは、ワックスが主成分、と言われれば、あの、油っ気のない、乾いた硬い塗りも納得です。

ところで、クレヨラ社も、クレヨンと並行して「オイルパステル」を販売しているのです。こちらは人気の面で言うとクレヨンほどではなく、探しても16色セットと28色セットしかありませんでした。でも、クレヨン同様安い。こちらについては偶然、このオイルパステルを使って素晴らしい作品を描いているYouTuberさんがおり、そこで見た色の美しさに興味を持って、28色セットを買ってみました。

買いたての頃の写真

結論から言うと、日本製のクレヨンに相当するクレヨラブランドの製品、というなら、クレヨンではなくこちらのオイルパステルです。
柔らかさ、発色の良さ、混色、重ね塗り、日本製のクレヨン/クレパス/パステルと全く遜色ありません。加えて、色のセレクションがアメリカ的というか、日本の24色セットにもないような色があって、ぺんてるやサクラのセットを持っていても、色が被らないので両方持っていても損した気分にはなりません。

この辺の色が気に入っています。

これらを使って描いた作品がこちら。色もしっかりしていて、上から重ね塗りをしてもきれいです。

日本の感覚で行くと、これを小さく、細くしたものがクレヨラのクレヨンなのか...と思いますが、全くの別物です。このオイルパステルで、クレヨン並みの120色とか展開してくれれば言うことないのに...やはりコストや技術が問題なのでしょうか?

しかし、こうしたはっきりとした差別化をしてくれると、どちらが自分の好みに合っているかもはっきりわかるようになって、購入する際に迷いがなくなるのは利点なのかもしれません。海外製品に挑戦してみようと思って迷ったら、日本のクレヨンが気に入っている人はオイルパステルを、逆に日本のクレヨンはべたべたしすぎてもうちょっと硬めの(クレヨンと色鉛筆の中間くらいの)画材を求めている場合はクレヨンを選んでみることをお勧めします。

絶対28色がお勧め。安いし。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?