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水彩パレットを自作しよう(2)

前回記事では恐る恐る、ごく基本的な固形パレットを自作しましたが、一旦成功体験を得ると手持ちのチューブ絵の具(お高めのものも含め)も全部固形化してみたくなり、これに伴い

→パレットも入れ物を工夫していろいろなタイプを作りたい
→パレットが増えたので、色が足りない
→絵具買ったら、パレットが.足りない..

のループにハマることに。

パレットも絵の具も、沼にハマると膨大な数が欲しくなりますが、そこは自分のお財布と相談しながら楽しくコレクションを増やしていきたいですね。

以下では、私の個人的なパレットづくりの経験のなかで得た知識を共有していきます。

空の容器=パンを入手しよう

前回は市販の絵の具用パレットを利用しましたが、パレットとして使用できるものは、他にもいろいろあります。基本的には、「個別の色を入れる容器」と、「それらの容器をまとめて収納する容器」を組み合わせてパレットを作成することになります。

まず「個別の絵の具を入れる容器」として重宝されるのが、いわゆる「パン」です。市販の固形水彩は、このフルパン、ハーフパンといわれる小さな四角の容器に入って売られていますよね。この容器の、「絵の具が入っていないバージョン」を、画材店や通販で入手できます。100個で1000円ちょっと超えるくらい。


右上がフルパン、それ以外がハーフパン。下の2つは空の状態。


Amazonで購入する場合は→ フルパン ハーフパン

これらに、前回の手順同様、好きな色のチューブを練りだして固めます。
パンを使用する利点は、色の場所が固定されないこと。1つのパレットに入れるパンの数や色の選択肢を自由に選べるので、パレットを選ぶ際の自由度も広がります。

大きさ、形がちょうどよいので、まとめて購入することを是非お勧めしますが、代用品ももちろんあります。「おまけ」欄を参照してください。

パレット容器――何でもあり

次に、上で作ったパンを収納する容器、即ち「パレット」です。とりあえず身の回りを見渡せば、結構何でもあります。条件としては、水に塗らしても大丈夫であること、パンが収まる高さ(1cmくらい)があること、必須ではないけどふたが付いていると便利、等があります。

市販の固形水彩セットが缶ペンケースに見えるので、真っ先に思いつくのはペンケースですね。


上はシュミンケ・ホラダムのフルパン12色が入っているセット。下の2つが文房具屋で売っているタイプの缶ペンケース(真ん中のは無印良品だったと思います。)

野外で持ち歩く、といった目的のものを作る場合は、これより小さいケースが、100均などで見つかります。画材コーナーではなく、手芸とか、DIYとか、ちょっと変わった場所を回ってみるのがコツ。また、Kaldiなどのオシャレな海外の食品店や、バレンタインシーズンのキャンディ売り場などで、かわいいケースが見つかることもあります。


集める楽しみ。一番下のはパン4つくらいしか入らない超ミニパレットになる予定。

パレットにパンを配置

順番としては、パンに絵の具を入れてから、それらをパレットの中に固定するのが簡単だと思いますが、ここで必要となるのがパンをパレットに取り付ける用具です。

パレットの素材によって適切な材料が異なりますが、ステンレスなど、磁石につく素材のパレットなら、マグネットシートがおすすめです。

100均で購入できます。あらかじめカットされたサイズがハーフパンにぴったりで驚愕でした。これ以外でも、巻きテープ状になっていたり、大きなシートを自分でカットできるようなものがあります。裏がシール状になっているものを選ぶと作業が簡単です。


完璧なサイズ感…

プラスチック製など、磁石が使えないものの場合は、両面テープがおすすめです。こちらも、適当な長さに切ってパンの底に貼ればいいので簡単。ちょっとはがれにくいので配置換えを頻繁に行うには向かないかもしれません。手持ちのテープのりも試してみましたが、こちらは逆に粘着力がやや弱め。


両面テープとドットライナー。どちらも文房具店で入手可能。

完成~~

ここまでくれば、後はパンをパレットにひたすら好きなように並べていくのみ。基本色に限定して小さなパレットを作ってみたり、お気に入りの色をひたすら並べたり、
この作業が癖になります。絵の具が乾くのが待ちきれない。


だいたいブランド別に分けています。右下2つは100均キャンプコーナーで見つけた食器入れ(?)と箸箱。

後で後悔しないように――注意事項

これは私自身の失敗談です。パレットづくりが面白くって、何も考えずにひたすら色を入れて並び替えていたら、この色は、どのブランドのどの色だったっけ??というのが思い出せなくなるものが続出。パレットを作成したら、色見本(色名、ブランド、色番号などと一緒に記載)を作ってパレットと一緒に、あるいは1冊のスケッチブックにまとめて保管し、配置換えをするたびにこまめに更新しておくことをお勧めします。
これについては、後日別記事で。

おまけ

試行錯誤する中で、いろんな変わり種も誕生しました。見栄えはいまいちですが、結構使えます!ということで、ご紹介。


何でもあり!

―明治の「ヨーグレット」のタブレットが入っていたシート「ハイレモン」でももちろんOK(トローチも)。6色パレットになります。箱に入れて持ち歩いてもOK!お薬の錠剤のものを使うと、さらに小さくなるかも。

中央―パンの代わりにペットボトルのキャップを使ってみました。結構大量の絵の具が入ります。まっち水彩絵の具の三原色シリーズで、右が赤、青、黄、白、黒それぞれの色、左は同じキャップに赤・黄、黄・青、青・赤を半分づつ入れています。

―無印用品で購入した半透明プラスチックのペンケースを、グルーガンで仕切ってみました。グルーガンの扱いが下手くそすぎて...

「絵を描く」とは別に、絵の具やパレットの収集を趣味とするのも、それはそれでいいと思います。ピカピカの未使用パレットがたまっていく...という事態は避けたいですが。作ったパレットは、ぜひ使い込んでいきたいですね。

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