色鉛筆は根気勝負
色々な画材の中で、色鉛筆は購入、準備、取扱い、そして使い勝手の点で、始めるにあたって最も敷居の低いものの一つですね。ちょっとした落書きに色を付けてみようかな、と思い立った時、大抵はすでに家に1セットあるか、或いはちょっと出かけたついでに買い求めることも出来るでしょう。
私も、家の中を見てみたら、ウン十年前のクーピーとか、100均で買ったセットとか、いろいろ出てきました。
どの画材でも言えることですが、色鉛筆に関しては特に、選ぶ際に品質と相性を確認することが大事です。どうして自分の憧れの色鉛筆画家さんのような表現ができないんだろう...と悩んでいたら、そもそも自分の持っている色鉛筆では目指している表現ができない、ということがあります。(芯の柔らかさ、発色の鮮やかさ、色を重ねることができるか、等)
私は、家にある色鉛筆でしばらく描いてみた後、YouTubeの人気チャンネルなどで比較動画やお勧めを見て、プリズマカラー(現在はカリスマカラーという名前で販売)に行き着きました。このブランドが「自分にあっている」という理由として、自分の画風(クセ?)が、複数色を塗り重ねて色を作る、計画性なく塗っていくので、暗い色を塗ったうえから白や淡い色を塗り重ねたくなる、境界はかっちり区切るよりぼかし気味が好きなので、芯の柔らかい鉛筆で境界をぐりぐりぼかせるものが良い...というものである、ということがあります。あと、薄く淡い絵より、濃淡のはっきりした絵を描くため、濃い色の出るプリズマカラーは一目ぼれでした。逆に、淡い画風や、塗り絵での使用を目指しているなら、固めの芯のブランドの、色数の多いセットを入手するのがお勧めです。例えば同じメーカーのものでも、価格帯が違うシリーズは差が歴然としているので、予算や目的と相談しながら、自分に合ったものを気長に探していくのも楽しいかもしれませんね。
また、安くても「これはいい!」というものもいくつか発見したので、それらについても後日作品とあわせて紹介していきます。
色鉛筆の良いところは、細かい表現ができること。リアルな絵を描くのであれば、クレヨンよりも向いているでしょう。ただ、クレヨンや水彩絵の具などは、「これ以上やると汚くなる」という、「やめる」ポイントがあると思うのですが、色鉛筆は完璧を追求しようとすると永遠に終わらないという問題があります。
そこまで完璧を目指していなくても、そもそも一度に塗れる面積が少ないので、とりあえず全体を塗る作業だけでもすごい時間がかかります。精神集中して一つの作品に打ち込める几帳面な性格の人には向いているのかもしれませんね。私は過程を楽しむというよりは早く結果を見たい、という性格のため、クレヨンに慣れてしまった後は色鉛筆の作業が苦痛になってしまいました(汗)。
目安で言うと、最近描いた下の絵は、絵葉書サイズで2時間強かかりました。それでも、他の「リアル絵」画家さん達に比べると、塗り方は粗いし形も正確でないし...と、雑な出来になっています。この規模の作品に4~8時間かける方もいるとか。尊敬しかありません。
クレヨン同様、色鉛筆も、子供の頃から使ってきた道具でも、新しいテクニックを覚えることで表現の幅が無限に広がります。ぜひお試しください。
取り敢えずはずれがないのは国産の有名どころ。36色で2000円弱はコスパが良いですね。
上ので満足できなくなったらレベルアップ。お値段も格段とアップ。
最後は、私の予算と実力では手も足も出ない色鉛筆の最高級品。カランダッシュは私の推しメーカーですが、100色で5万円って、一本500円ですか...。品質云々よりもったいなくて使えない。