「ネガティブな心をほどくアファメーション:効果を高める3つの工夫」【007】
前回は「自己アファメーション」の基本をお伝えしましたが、実際には「ネガティブ思考が強くて、なかなか前向きな言葉を信じられない」という日もあるかもしれません。今回は、そういった「気持ちが沈む日」だからこそ役立つアファメーションの工夫を3つご紹介します。心理学的視点から、より効果的に自己肯定感を引き出すためのテクニックを深掘りしていきます。
1. ネガティブな気分を一旦「ラベリング」する
これが非常に大切です。これで私は救われました。
感情を無理にポジティブへ変えようとせず、まずは「今、私は不安を感じている」「少し落ち込んでいるな」と言語化してみましょう。これは「感情ラベリング(Affect Labeling)」と呼ばれ、感情を言葉で表すことで不安やストレスが和らぐことが研究で示されています(Lieberman et al., 2007)。
最初のステップでネガティブ感情を受け止めると、その後のアファメーションが「現実逃避」ではなく「乗り越えのサポート」として機能しやすくなります。
2. 過去の「小さな成功」を思い出す
ネガティブな時ほど、「自分はダメだ」という考えに陥りがちです。そこで、アファメーションに入る前に、過去に達成した小さな目標や乗り越えた困難を思い出してみてください。
例:「前も同じような気分だったけれど、あの時は〇〇をクリアした」「これまでも少しずつ前進してきた」
この「小さな成功」を思い浮かべることで、アファメーションへの信憑性が高まり、「今回も何とかなるかも」という現実的な勇気を得られます。
3. アファメーションを「行動」につなげる
単純に「私はできる」と言うだけでなく、「私はできる。だからまず5分だけ机に向かってみよう」と、短い行動目標を加えると効果的です。行動科学では、「言葉→行動」のステップが明確な方が目標達成率が上がると知られています(Gollwitzer, 1999)。
アファメーションはメンタル面の補強ですが、少しの行動を伴うことで、「実際に前進している」という実感がわきやすくなります。
実践例
朝、憂鬱な気分で目が覚めたら、まず「今、私は今調子が悪い」と頭の中で認めます。次に、「前にも辛い日があったけれど、あの時は仕事でお客さんを笑顔にできた!」と具体的な成功経験を思い出します。そのうえで「今日も少しずつ前進できる。まず5分だけ整理整頓してみよう」と声に出す。
この流れによって、「ネガティブ状態→成功体験で客観化→アファメーション+行動」の3段構えが完成します。
コメントであなたの方法をシェア
ぜひ、あなたが実際に試してみた方法や、効果的だったフレーズをコメント欄でシェアしてください。共感やフィードバックが、他の読者の役にも立つはずです。X(旧Twitter)でも@テディのマインドハックノートとして日々ミニハックを配信中。
「#ネガティブ対策 #自己アファメーション 」をつけてツイートすれば、コミュニティで情報交換もできるかもしれません。
次回予告
次回は、アファメーションを日常に溶け込ませる「習慣化のコツ」について深掘りします。続けるほど効果が増すこのテクニックを、どうやって無理なく続ければいいのか、行動科学的な視点から具体的な方法を提案します。お楽しみに!
参考文献
Lieberman, M. D. et al. (2007). Putting Feelings into Words: Affect Labeling Disrupts Amygdala Activity in Response to Affective Stimuli. Psychological Science, 18(5), 421–428.
Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation Intentions: Strong Effects of Simple Plans. American Psychologist, 54(7), 493–503.