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庭のトマトのちいさなレシピ

今年はとにかくトマトが豊作で、ありあまるほどに次々と実をつけてくれた。赤やオレンジや黄色、そして珍しい黒い色のかっこいいトマトの苗も植えたのだが、そのすべてがほんとうによく育ってくれた。この豊作の秘訣は暑かった夏の天候もあるけれど、今年は例年以上に土をよく耕したからではないかと思っている。ふんわりと新鮮な空気を含み水はけがよい土はミミズもうれしそうにのびのびしているし、野菜や花も喜んでいるようだ。

イギリス人のご近所さんに教えてもらったレシピがとても美味しくて、ひと夏の間に何度も作っては色々な料理に活用した。ちなみにかっこいい黒いトマトの苗はこのご近所さんから分けてもらったものである。

収穫したトマトをひたすらに4等分にカットし、
バットに並べ塩とオリーブオイルをふりオーブンで20分じっくりと焼く。仕上げにバルサミコビネガーをふりかけできあがり。たったこれだけなのです。

これだけのことから出来あがる深い味をこれまで知らずに生きてきたわけだが、ほわほわに甘くジューシーでトマトの美味しさが最高潮までひきあげられてるのでは? とひとくち食べては二度見するほどの幸福な味わいである。もともとトマトは好きだけれど、この調理法で仕上げた美味しさは格別で、こんなにシンプルな行程でこんなに美味しくなるのかと、じつは単純であることのなかにひそむ宝物をいかに知らないで生きているのかということにもびっくりする。

この『オーブン焼きトマト、オリーブオイルとバルサミコビネガーマリネ(命名!長い!)』薄く切ってカリッと焼いたパンにのせてもいいし、肉や魚料理のディナーのお皿に付け合わせとして添えても一皿の完成度がぐっと高まる。ジュースをたっぷり含んだオイルごとシンプルなパスタに絡めてチーズを削ってもとても感じの良い一品ができあがる。

たくさん実をつけつづけてくれ、単調な食卓を大いに盛りあげてくれたこのトマトも今年はいよいよあと1回の収穫で終わりとなりそうだ。ミョウガや豆やコージェット、はじめて実をつけたプラムも今年はほんとうにによく収穫できた。

畑に関わり命を見つめながら暮らしてみると、この世界の日々のちいさな変化に気がつける。春夏秋冬の移り変わりを感じながら、その時々に自分ができることも見えてくる。夏の野菜は終わってしまったけれど、これから迎える寒い季節に向け、つぎは土の中でじっと命をあたためるような球根を植えたり、木の種を発芽させるための冬越しの準備などに取りかかろうと思っている。

種から育てたコージェット!

今年の夏の収穫!



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