青春は終わらない
※いつもと毛色の違う記事で失礼します。
マイナビ×noteの投稿コンテスト「#想像していなかった未来」を見て、面白そうと思い記事を書いてみました。
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高校時代は吹奏楽部に所属していた。
副部長で、マーチングではリーダーを務めていた。休みはお盆と正月だけで、毎日部活をして過ごした。
それは私にとってたいそうな背伸びで、上を目指すためにたくさん練習して、たくさん仲間とぶつかって、自分の性格に目をつぶって走り抜けた高校生活というのは、今振り返ると少し苦しい。
背伸びせず、波風立てず、楽しいと思えればよかった。可能であれば、青春だったと言えるような高校生活を送ってみたかった。
社会人になった。
熊本の企業に就職した。
キャリアを積んで、稼いで、大好きな熊本県に骨を埋めたかった。
入社1ヶ月、辞令が出た。
「東京支社勤務です」
………今なんて?東京??
東京は、修学旅行で一度行っただけだ。
修学旅行から帰ってきて家族に言った感想、今でも覚えている。
「あそこには住めない」
いやいや、いやいやいやいや
たしかに東京支社に行けばキャリアは積めるかもしれない。でも私は熊本で大自然に囲まれて、穏やかに、心地よい風を感じて珈琲を飲んで年を取りたくて………
大好きなカフェや、パン屋さんや、熊本の街に元気をもらえないのに、一人で頑張らないといけないのか。
東京には友達もいない。自分から友達を作りに行けるほど、心が元気なわけでもない。
たとえば、何か吹奏楽団体などに入れば、会話が苦手でも、楽器が吹ければ居場所は確保できるかもしれない。
そう思って東京都の吹奏楽団の見学に申し込んだ。
生活が落ち着いてからではなく、家が決まるより先に楽団に申し込んだ。この異例の行動力、どこからそんなパワーが出てきたのか不思議だが、でもこの私らしからぬ行動力はきっと、目に見えない何かに後押しされていたのだろうと思う。
高校生の私へ。
今は東京7年目。私の意志で、日々の仕事をしながら必死に楽器を練習して、毎週仲間と楽器を吹いています。あんなに嫌だった吹奏楽コンクールで金賞を目指しているし、高校時代に吹きたくても吹けなかったソロは、多分もう10回は吹いています。
……背伸び?
手が届かないなと思う時も多々あるけれど、背伸びでもヒールでも厚底ブーツでも、なんでもやりたいと思えています。
東京の人たちは、フットワークが軽くて、遊ぶのが上手で、いろんなものを柔軟に受け入れる、温かい人たちだったよ。
夏は花火や水鉄砲をするし、ディズニーにも行くし、集まってゲームもするし、トランポリンにも行くし、サイゼリヤで何時間もお喋りしたりしてるよ。
花火の帰りに、車で送ってもらいながら見たスカイツリー、その東京の象徴でもあるスカイツリーを綺麗だと思えた瞬間、こう思ったよ。
青春は終わらない。
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