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喜劇:星野源/自分の生活を続ける

私は、今日みたいな平和で穏やかで、真っ青の空を見ると不安になる。
穏やかすぎて何もしなくてぼーっとしていると、考えが頭をめぐる。
私はあと何年働くのだろうか、これからソーシャル的なイベントを迎えることはできるのだろうか、迎えたとしてもリスクはないのか、誰かをこれからも傷つけてしまうのかもしれないし、自分が生きていなければ抱くことがなかった感情を感じなければならないのか。そんなことを考えて後ろ向きになるとなんだか絶望をしてしまう。生きるとは試練であることを痛感する。

4月7日にリリースされた星野源の新曲、「喜劇」。

私は重度のGENオタクなので当日夜中にすぐに開封。
(新曲を聴く瞬間ってプレゼントのラッピングをそーっとほどく感じに似てるって思う)

最初に聴いたのが深夜だったというのもあったせいか、曲の全体像がつかめない、うまく曲を捉えられないというGENあるあるに引っかかってしまい、「聴けるかな・・・」と不安になったのが第一印象。

ただ、やはり源はスルメなので聴けば聴くほど、悲しくなるぐらい受け入れてしまった。

歌詞の感想としては、全体的に、こちらも毎度感じてしまう、生への絶望と諦め、すべてを受け止める懐の深さを今回も感じた。なのにかわいらしいチャーミングな家族愛には心がキュン…となった。また曲的にはAメロ、Bメロ、サビの境目がわかりにくく、落としどころがない永遠を感じる曲作りを感じる。

喜劇に対するコメントとして星野源は「喜劇と悲劇は表裏一体」と言ってくれていた。この考えに私はとても共感する。「喜劇」はしんどい中で耐えて生活を送っている人を前向きにしてくれる、悲しみの中にある喜びや幸せを拾って気づかせてくれる曲だなと感じた。冒頭述べた、今後に対する不安や絶望さえも、そう思えること自体が喜びでもあると捉えなおすことができる。

星野源は曲中、「ふざけた生活はつづく」と話していて、エッセイでも「そして生活はつづく」と言っているが、私は星野源のおかげで自分だけの生活を続けようと前向きに思うし、意志とは反する生活が続いたとして、後ろ向きになったとしても、そんな一瞬も大切にしたいと思える。



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