夏の夜に
「陸にあがったわたしは、人に戻れずに蝶になった。魚になるはずの鱗は、乾いて粉になった」
昨年の夏に公開した短編小説「蝶の鱗」です。
表紙は【spin a yarn + kaya】で絵を描いている茅野カヤさんです(表紙となった絵は購入して私の手元にあります!)。
真夏に読むのがぴったりじゃないかなあ、と思って紹介します。
物語の元になったのは下記【spin a yarn 】のツイート。
このツイートは、鱗粉て、鱗だなあ、と思ったところが始まりでした。それで、人になれず蝶になった人魚が思い浮かびました。
海に入った友達は、人魚になることなく、舞うものの姿になって遊びに来る。鱗を全身に纏って。
短い物語です。読んでいただければ幸いです。
夏の夜の花火のように、ひとときの閃光と、どうしても去ってゆく寂しさをもたらすことができますように。
石川葉
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