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タンポポのわたげのようなふりをして、それはやってきました。ふわふわとしていて、さわりごこちもやわらかなそれは、マリーの耳たぶにぶつかってはずむと、耳のなかにするするとはいってゆきました。 「きゃあ! くすぐったい!」 おもわずマリーは声をあげました。 「わたしのあたまのなかにはいってきた、あなたはだあれ?」 タンポポのわたげのようなそれは、口をつぐんでだまっています。 マリーは、うさぎのぬいぐるみで、しんゆうのセバスチャンにたずねてみました。 「わたしのあたまのなかに
ミルッカのともだちはカエルのタリーです。カエルといってもそれはぬいぐるみのカエルでした。ミルッカがうまれたときにサッラおばさんがプレゼントしてくれた、ひょろながいてあしとエメラルド色にきらきらとかがやくひとみをもつカエルです。ミルッカはうまれたその日から、ずっとタリーといっしょです。ねむるときはもちろん、ごはんのときもさんぽのときも。近所のともだちとあそぶときにもタリーはついていきます。タリーのあしはながいですから、ミルッカがかけっこをするたびにひきずられ、なわとびをするた