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ボドゲカフェのはなし

この記事はBoard Game Cafeアドベントカレンダー2024の20日目の企画ものです。

敬愛するボードゲームポッドキャスト「おしゃべりサニバ〜ボードゲーム大作戦・改の第447回」を聴いていたら、まじもりさんが立ち上げたBoard Game Cafe アドベントカレンダーに「てちゅろんさんが10枠は取ってくれる」とか何とかご指名されてしまったので、せめて1枠だけでも応えますかと痛む腰を上げました。約6,700文字です。

自己紹介しますと、大阪は中崎町という処で2016年からボードゲーム・カフェー賽翁(以下、ボドゲカフェ)という、カウンター席とテーブル3つの小さなお店を1人で営んでおります。来てね!
店名にカフェーと伸ばしているのは、古い喫茶店にノスタルジーを感じるお年頃なのです。(昔はカフェーと名の付く飲食店が流行して、後の純喫茶や喫茶店と呼ばれるようになったという)

今回は2024年に行ったボドゲカフェについて、過去も含めて印象深かったことをおっさんのうろ覚えな記憶力でゆる~く書いてみます。


地元、大阪のボドゲカフェ

 des-s-art*spoon(デザスプ)さん

まだボドゲカフェという呼称すら無かった2012年からあるお店。
当時は昭和町ではなくて、谷町6丁目にあった10席程度のこぢんまりとした純喫茶の中に、200個くらいの大小ボードゲームがボドゲ棚一杯にあった気がします。いわゆる旧デザスプ、僕の原点。

常連だったのでお店のゲーム会に通ったり、ただ単に珈琲を飲みに行ったり、夜勤明けでモーニング食べに行って昼までダベった後で、営業しているのに「どうせ誰も来ないから」と店を閉めて2人で昼ごはんを食べに抜け出したりと、店主の加藤さんの自由なユルさも大好きです。ここで自分がやりたいお店の芯が出来た気がします。その方向性は自分の中で今も変わっていません。ありがとうございます。
ぼくがお店を出した時は、開店祝いにと丸看板のカッティングシートをデザインしてくださいました。もちろん今も夜は煌々と光っております。

純喫茶が好きなので、あの旧デザスプの純喫茶然とした形が本当にたまらなく好きでした。ただ営業的には余りにも厳しい広さなのと、トイレ設備などの不満もあって、2017年に昭和町へ移転となります。水回りマジ大事。
今は古民家を改装したボドゲカフェで、押し入れ部分に大量のボドゲが積まれていたり、和室の2階があったりと、これはこれで素敵なのでした。

置いてあるボドゲはユーロゲームが多い印象です。同人作品やアメゲーは少なかった気がします。店主の好みや客層で置くゲームが変わるのもボドゲカフェの面白いところですね。

店主の加藤さんはデザイナーでもあり、デザスプ以外にもDTPや印刷事業も興されていて多才だなぁと感心するばかりです。
ぼくも営業しているので会う頻度はめっきり減りましたが、それでも年に何度かはひょんなことで会って話を交わします。

 BOARD GAME CAFE NOW(ナウ)さん

大阪駅の隣にある塚本で、2020年からご兄弟で営業されているお店。
カフェバーといった内装で、ボードゲーム専用のテーブルや、隠し扉の先にある3階の個室ルームなども魅力。
塚本には同年同月に開店したボドゲカフェがもう一つあって、お互いが知らずにたまたま同じ月にオープンしたらしくて、それ以来仲良しなのもほっこり案件。ボドゲカフェの人たちって、同じ趣味の仲間って感じで仲良しが多い気がする。大阪だけ?(ざわ…ざわ…)

お兄さんがとにかく器用な趣味人で、ボドゲ自体を防水加工したり、3Dプリンタも使いこなすし、大工で棚や隠し扉作るし、ペイントもするし、オーガナイザーやらカードスタンドやら料理やら何でも作る。ボドゲのネメシスをフル3D化したというポストを見たときは、ちょっと何を言っているのか分からなかったw
ご丁寧に開店のご挨拶でお店に来ていただいて、それからのお付きあい。
最近は珈琲に目覚めたらしく、美味しい豆をいただいた。珈琲の話ができる人、余りにいないのでもっとその辺りをお話ししたいですね。

 喫茶ゆたかさん

ナウさんに続く大阪のヤベェ店その2。
塚本でナウさんと同時期にオープンされた、若いイケメンが店主のお店。何がヤバいって、お店にあるボドゲの数が現在で2,100個を超えている。

内装としてはウチに近い木造の喫茶店で、広さもウチとそんなに変わらないのに2,100個。飲食店では貴重な席スペースをつぶして、その上にゲーム棚を置く狂気ぶり。席の周りをボドゲ棚に囲まれる圧迫感は、ちょっと他では味わえない。いつかボドゲに埋もれる人が出るぞあそこ。
塚本の2店舗は、もうすっかり大人気店でいつも満席が絶えません。

出てくるメニューも喫茶店。最高。お一人で営業されているのもウチと一緒。 ワンオペなのに料理も出すのがすごい。ぼくは手が回らなくなる(昔は自家製スパイスカレーも出していたんだけれど)ので、料理は諦めているから料理まで出すのはただただ尊敬しかない。
でもみんなが一斉に頼むので提供にめっちゃ時間かかるらしい。でも常連さんたちはゲーマーが多いから、勝手にルール読みから遊ぶらしい。うらやましい話だぜ!

まだ会社員のうちにこの店が近所にあったら、お店始めずに毎日ここに入り浸っていたと思う。

京都のボドゲカフェ

 comedy(コメディ)さん

西院の近く、山之内にあるボドゲカフェ。
今は2代目のせんちゃさんが切り盛りされている。初代はおこめさん。
その昔、おこめさんが京都でボドゲ会を開いていて、その時の参加者にぼくもいた。そこからのなが~いお付きあい。一緒にゲームを遊ぶことは無くなりましたけれど、もうお店は勇退されたので遊びに来てよね!

お店の内装は、個人店ならではおこめさんの趣味全開のファンシーで唯一無二な空間で満たされていました。パン屋さんにも勤めていらしたので、メニューにもバーガーだったかサンドがあった気がする。
そして壁際には出版社別(だったと思う)に整理された往年の名作がずらり。いや~どこの店舗もボドゲがキレイに整理されていて素晴らしい。
ウチはほら、雑多に積み上げた廃業寸前のおもちゃ屋みたいな感じだから。
2代目になってまだ行けていませんが、きっとせんちゃワールド全開な内装なんでしょうね。

兵庫のボードゲームカフェ

 deli cafeはなさん

大阪から見て武庫川の向こう側にある(言ってみたかっただけ)ボドゲカフェ。どちらかというとカフェ寄り。
テーブルもカフェ向きのテーブルでカードゲームを遊んだり、テーブルをくっつけて中量級クラスのゲームを遊んだりがメイン。でも店主のNancy(ナンシー)さんがテラフォーミングマーズ大好きなので、テラフォはあります。テーブルくっつけてがっつり広げます。

内装は清潔感のある明るい店内でカウンター席も少しあって、外にもテラス席があるので、天気のいい日は外でまったりできちゃう。
パーテーション代わりのようなアルミラックのボードゲーム棚があって、小箱や中箱がみっちり詰まっています。定食を食べにくる家族連れとか、ボドゲ初心者の方に向けたゲームが多い印象。うろ覚えだから違ってたらごめん。
それと料理が絶品。はな定食はマストフォローで、ドリンクもテイクしましょう。何食べても旨いです。味付けのセンスが良いのは、舌がいいんでしょうね。あと色んな所へ行った話をしてくれるので、長い時間だらだらとお茶していられる空間です。

ウチの店舗イベントに来られる時は、毎回お弁当をデリバリーしてもらえるので、「大盛りはな弁当」を注文して私腹を至福で肥やしています。
この時、お弁当代をNancyさんに渡して、ウチのイベント参加料金をNancyさんから受け取るのが、まるで謎の儀式のようなやりとりで毎回フフッとなってしまいます。これからも末永くお付き合いください。

広島のボードゲームカフェ

 Playful Place(プレプレ)さん

ボードゲームブロガーやボードゲームポッドキャストGAYA!ラジオのイケメン担当でも有名な、なかとーさんが店主のボドゲカフェ。
なかとーさんはマーダーミステリー専門店も経営されています。時代の寵児です。
YouTubeでもマメにボドゲ紹介動画をご夫婦で発信していて、お客さんを楽しませようという気持ちを感じられます。仕事のできる人ってこういうのだよな。おっさんにはその行動力が眩しい。

なかとーさんを知ったのは、ボードゲームラジオで有名なGAYA!ラジオを聴いたことが発端です。このラジオ自体もなかとーさんのオープンしたばかりのお店を盛り上げようと始めたらしいですから、少なくとも1人のおっさんには効果があったわけです。

2年前にたまたまJRのサイコロ切符という企画に申し込んだら、尾道へ行けと出たので、尾道を散策がてら思い切って広島に宿を取り、プレプレさんに初来訪してみました。尾道からローカル線で行ったら4時間以上かかったけれど、GAYAラジが1回分の放送で3時間半を埋めてくれるので一瞬でした。
でもサイコロ切符の都合上、帰りも広島から尾道まで4時間以上かけて戻った時は流石に疲れました。

お店の内装は白を基調とした清潔感あふれる空間に、大きな窓から光が差し込み明るい店内となっているオシャレカフェで、繁華街ということもあって若者たちが集まる憩いの場所です。

ボドゲカフェに行ったら、店主が出してくれるゲームはどんなゲームか?という楽しみがあって、2年前に行った時はSnapを遊ばせていただき、面白かったのですぐにポチった覚えがあります。ぼくだけかも知れないけれど、業界関係者へのゲーム紹介、なんか緊張するんですよね~。

今年は、後述する話の関係で深夜バスに乗り、0泊3日で広島に突撃したりしました。
お昼や晩ごはんを一緒に食べたり、マーダーミステリー専門店の方でもマダミスを体験させてもらったり、楽しい思い出ばかりありがとうございました。

長崎のボドゲカフェ

 SUNNY BIRD(サニバ)さん

デザスプさんと同じく、2012年からあるカフェ。最初は知る人ぞ知るボードーゲーマーたちが夜な夜な集まるカフェだったのが、多くの人に愛されるボドゲカフェとなり、2020年からはボードゲームの出版も始めて、その際立った日本語版ラインナップは多くのフリーゼファンのみならず、ボードゲーマーたちを虜にしています。新作情報はYouTubeでチェックだ!
自分がボードゲームを置いたお店を始めようと思い立った2012年に、同じことをやっている先達は日本にどれくらいいるのだろう?と検索したら、デザスプさんの他にサニバさんもあったのを覚えています。2012年当時で他に見つけたボドゲカフェだと、kurumariさん、喫茶あかねさん、喫茶マーブルさん、ことぶきさんくらいだったかな?(見落としているかも)

サニバさんの店主たいらさんは、おしゃべりサニバ~ボードゲーム大作戦改~というボードゲームポッドキャストを長いこと配信されていて、ずっとラジオを聴いていたので「いつか行ってみたいなあ」という欲望を今年の6月に叶えました。

お店の内装は昼白色ライトで明るい長方形な室内、壁一面に整列されたボドゲ棚が並んでいて、最近のユーロゲームよりかは、古き良きユーロゲームが多めなのが印象的でした。でも同人ゲームを持ち込みで一緒に遊んだらそれだけで時間が無くなった思い出。もっと古き良きユーロも一緒に遊んでみたい。あとお店の人がおすすめするゲームを遊ぶ、というのもボドゲカフェの醍醐味なのに。反省。

いや~長崎旅行楽しかったなぁ。飯も何食べても旨いし。たいらさんには送迎や長崎案内までしていただいて、色々とお世話になりました。ありがとうございます。

東京のボドゲカフェ

 あまやどりさん

ボドゲカフェ界の最強夫婦、たかひろ店長とおすずさんで営まれている、上野の大人気店。YouTubeも配信しています。
かえるグッズが店内中に溢れかえったボドゲカフェで、かわいらしい処だな~と思ったのが第一印象です。あとテーブル同士が広くて、余裕のある感じが素敵ですね。

初めて行ったのは、ボードゲームポッドキャストで有名なほらボド!のゲムマ前日ゲーム会に参加した時でした。この時は、あまやどり夫婦にも「ドーモ、アマヤドリ=サン。テチュロン、デス」とご挨拶した程度です。
ちょうどナナカードゲームがゲムマ初出展だった年で、ぼくもナナと浅からぬ関係者だったので、発売前のナナを持ち込んで面白さを拡散してもらえたらな~ってゲーム会に参加していた気がします。

二度目に訪れたのは、ゲムマ後にサニバのたいらさん達と遊びに行った時。
三度目は、すっかりファンになったGAYA!ラジオのオフ会が、あまやどり貸切でやると聞いて、朝一の新幹線で行って夜行バスで帰るという狂行軍をした時。
四度目は、今年の秋ゲムマの後にたいらさん達と。恒例となりつつある。
あまやどりご夫婦が広島のプレプレさんへ行くと聞いて、深夜バスに飛び乗り一緒に広島で遊んだりもしました。
この夫婦、なんか立ち振る舞いがいい感じなんですよね。うまく言えませんが。個人店舗ってお店の人にファンが付くので、そりゃこの2人なら人気店になるわ、みたいな。またカラオケ行きましょうね。

お店のすごさについては、12/8のアドベントカレンダーでGAYA!ラジオパーソナリティでおなじみのB.pegg(ペグ)さんが、めちゃくちゃ語ってくださっているのでそちらをお聞きください。

 コロコロ堂(上野御徒町店)さん

御徒町と秋葉原の2店舗を構えるジャパニーズNo.1ボドゲカフェ。(たいらさん談)
もともとは根津にあった八百屋さんの2Fでこじんまりとしたボドゲカフェでした。初めて来訪したのは根津の方で、「ドーモ、コロコロドウ=サン」とご挨拶した程度です。(実際はもっとマジメにやっていますよ)
当時は仲良しの男子2人で営業されていましたが、お店を上野御徒町へ移転してからは会社化して多数の人たちで運営されています。

上野御徒町の店舗は、1棟貸の路面店で2Fも店舗スペースです。
入口すぐの受付横にはボドゲの販売棚があり、コロコロ堂からもボードゲームを幾つか出版されています。サニバさんと同様の業態ですね。

店内は落ち着いた雰囲気のオシャレカフェで、路面店ならではの大きな窓、壁一面に整列されたボドゲ棚、明るい照明、男女別トイレ、スマホで注文できちゃうメニュー、ボドゲカフェの教科書というものがあるとすれば、これこそが現代のスタンダードだ、と感じました。一つの理想形です。

元々コロコロ堂さんとは挨拶程度のお知り合いだったのですが、コロコロ堂さんが会社化してから関係性に変化が訪れます。
現店長のひぐちさんが、コロコロ堂へ入社する前はウチの常連だったのです。その後、ひぐちさんが東京へ戻り仕事を辞めて、コロコロ堂が会社化した折の社員紹介にひぐちさんがいた、という。
あの時は、ひぐちさんがコロコロ堂の岩井さんと友人とは聞かされておらず、単に常連さんの一人だったので驚いたもんです。
それからは毎年、秋ゲムマの後はコロコロ堂へ遊びに行っております。

 DEAR SPIEL(ディアシュピ)さん

2015年から東中野にお店を構える人気店。ボドゲカフェブームというものがあるとすれば、その第一波の先駆け的存在ではないでしょうか。
2015~2017年くらいにボドゲカフェが全国で一気に増えた印象があります。
(2012年頃からある店舗は、流行で出来た店舗ではないと思うので)

店舗はビルの3階と4階にあって、ボードゲーム販売もあってこの辺りはコロコロ堂さんと同じです。ボドゲカフェって飲食だけだと厳しいものがあるので、物販も始めるところは多いです。
店舗は茶色と白が基調でクラシックな感じ。部屋の真ん中を通路として左右にテーブルを配置して、壁際にはオーナーであるかんちょーさん自慢のコレクションが燦然と並んでいるんですが、古いものから新しいものまで不足なく揃っている印象です。

ほらボド!主催のゲーム会や、ごいた会のイベントでしか来たことが無いのため、お店のゲームで遊んでいなくて分からないのですが、これ全部を店員さんが説明できるとしたら、相当できるお店ですね。

おわりに

ほとんど文章ばかりで読みづらかったでしょう。分かります。
色々と写真があれば良かったのですが、普段からブログを書いているわけではないので、そういった写真が無かったんです。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

明日はワクさんです。楽しみ~!!