
沖縄のヘビ
2025年の干支は巳です。今回は、沖縄のヘビについて話します。
ウミヘビ
海で生活するようになったヘビ類のことをウミヘビといいます。ウミヘビは魚類と爬虫類の2種類が存在します。魚類のウミヘビはアナゴの仲間です。一方、爬虫類のウミヘビはコブラの親戚です。毒があります。しかし、気性が穏やかなため、噛みつくことは、ほとんどありません。肺呼吸のため、ずっと水中にいることはできません。海面に顔を出して呼吸していました。しっぽを振って、船を漕ぐ感覚で泳いでいます。ウミヘビは水中で俊敏に動いていました。
爬虫類のウミヘビの代表が、エラブウミヘビです。エラブウミヘビは沖縄ではイラブーと呼ばれています。琉球王国では、王族への献上品でした。神様を祭る女性のみ捕ることを許されていました。明治時代以降、食用だけではなく、革製品にも利用され、乱獲されました。その結果、絶滅危惧種に指定されました。

イラブー汁
ウミヘビ料理と言えば、イラブー汁が有名です。エラブウミヘビの燻製を下茹でしてからぶつ切りにし、丁寧にアクを取りながら身が柔らかくなるまで数時間煮込みます。燻製の薫り、イノシン酸が豊富のため、カツオ風味のだしが取れるらしいです。塩を加えるだけで美味しく食べられます。栄養満点のスープで、琉球横王国の王族の間で、疲労回復、元気をいただくために飲まれていました。イラブーの燻製作りから、手間ひまがかかりすぎるため、作られているお店は少ないです。一度、味わってみたい一品です。
ハブ
沖縄奄美地方に住む毒ヘビです。住宅地にも出没します。ハブは、暗い場所を好みます。遭遇してしまった場合、刺激を与えないように距離をとりながら、素早く逃げましょう。噛まれてしまった場合、すぐ病院へ行きましょう。
マングースを駆除に利用するも、在来種を補食する問題が発生した。
ハブの駆除のため、マングースが放たれました。ハブ対マングースショーが20世紀の沖縄観光の目玉でした。実際に、マングースがハブを駆除するシーンを見ることができました。しかし、2000年に施行された動物愛護法の改正によって、パフォーマンスとして見せることが禁止されました。現在でも、ハブとマングースショーは開催されています。しかし、生態を学ぶ意味合いが強くなっています。
マングースは、ハブを狩ることが得意ではありません。ハブが俊敏だからです。マングースは、ヤンバルクイナ、アマミナキウサギなど、在来種を捕獲するため、問題になりました。在来種のほうが、ハブよりカンタンに捕まえられるからです。肝心のハブを捕まえなくなりました。奄美大島では、マングースの駆除を進め、2024年、成功しました。
ハブ酒にして調理する
泡盛にハブを漬け込んだハブ酒は有名です。ハブがありのままの姿で漬けられています。飲むと血行がよくなり、身体が熱く感じられるらしいです。
ちなみに、ハブは、毒を抜けば食べられます。焼くと、鶏肉に近い味らしいです。
2025年はヘビ年のため、沖縄のヘビについて話しました。特にハブは警戒が必要です。
参考文献
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