見出し画像

【天才エンジニアを産み続ける?】最高峰のインド工科大学に潜入してみた

先日北インドを旅行したのですが、その際にインド工科大学に訪れてみたので、その時の体験を綴ってみます。

インド工科大学とは

インド工科大学とは、14億人の人口を有するインドにおいて工学や科学技術を中心とした理系の教育機関で、インド最高峰・最難関の国立大学に位置づけられています。

これまでの著名な卒業生としては

 Google CEO のスンダル・ピチャイ氏
 ゴールドマンサックス CEO のラジャト・グプタ氏
 Twitter CEOのパラグ・アグラワル氏
 IBM会長のアルヴィンド・クリシュナ氏
 ソフトバンク副社長のニケシュ・アローラ氏

などがおり、インドのみならず世界的に成功を収めている理系人材を数多く輩出しているんです。

Netflixでもドキュメンタリーがあるほか、NHKスペシャルなんかでも特集されており、日本での知名度に比べて世界的にもとても高い名声を得ている大学なんです。いわゆるGAFAなどアメリカのIT企業はわざわざインド工科大学に来て、学生を囲い込むほど。


キャンパス訪問

アメリカや日本の大学とは違って、インド工科大学は許可がないと入ることができません。前から訪れたいなーとは思っていたのですが、今回ツテを辿ってコンタクトを取ることができた物理学のAmid教授に中に入れていただくことになりました。もし読者で本当に興味ある方は僕に連絡していただければ繋げられると思います。

入り口では検閲があり、許可をとっている旨はその本人に目の前で電話をかけることで証明しました。ちなみに諸々の手続きはすべて手書き、この辺りは理系の最先端大学とはいえインドらしい原始的なやり方ですね(笑)


キャンパス

まず驚いたのがキャンパスの広さです。

アメリカの大学を彷彿とさせるよな広大なキャンパスの中に、病院から薬局、そのほかカフェや食堂、公園などが点在しています。

それもそのはず、基本的に学生や教授などは全てキャンパスの中に住んでおり、強制ではないものの事実上の全寮制のため、そこで生活が完結するようになっているのです。

ただ年々増えている学生を収容し切ることができず、とはいえデリーの中にあるキャンパスを拡張することもできないため、寮の高さを高くしたり、地下にも部屋を作ったりすることによってなんとか収容を確保しようとしているそう。なんともこれも力技です。至る所で工事をしていました。

図書館などは基本的には24時間空いているとのことですが、なんだかんだ夜は閉まっていることもあり、こちらもインドらしい大雑把さ。噂に違わず、合格するのはとても難しいものの、勉強しない学生も多いそうで、Amidさんはニコッとして「それはどこの大学も同じことだね」と言っていました。

ちなみにAmidさんは学士はアメリカのインディアナ州にある名門パデュー大学を卒業し、博士号からインド工科大学に来たそうです。


歩いている学生はほぼ全てインド人。留学生らしき人は誰も見かけませんでした。大学としては留学生を増やそうと苦心しているそうですが、あまりうまく行っていないそうです。

↑学食は少し貧弱?なぜか学食に家族連れで来ている人も多かった。家庭の期待を一心に背負って通ってる学生も多いんだろうなーと思ったり。


昔高校の授業でインドがIT先進国になった理由は新しい産業のためカーストを抜け出すことができるから、と覚えた記憶がありますが、ただ実際にはインド工科大学の学生はバラモン家庭出身の人が多いそうですけどね。


休日でも賑わうキャンパス

休日もあまりキャンパスの外には出ない学生も多いそうで、土日でもカフェで勉強したり、集まって物理の動画をYoutubeで見ている学生もいました。

途中でAmidさんは、授業があるからと言ってお別れしました。

土曜日にも授業をやり、学生は平日休日問わず勉強をしている。数学が元から得意な人たちが、土日もこうやって勉強しているんだから、そりゃ優秀な人材が育つし、これだけ多くの学生を高い競争率の中で学ばせていれば人材の裾野は日本では考えられないほど広いだろうなーと。


ちなみに個人的に前から聞きたかった質問をAmid教授にぶつけてみました。

・インド人はなぜ数学が得意なのですか?と
 →早い段階から数学の教育を受けているからだよ。

・GAFAなど世界のCEOにはインド人が多いですがなぜだと思いますか?
 →それは単に人口が多いからだけだよ。英語が喋れるし。


もっとインサイトに富んだ回答が得られるかなーと思いきや、これまた意外と単純な答え(笑)。まぁでもこれが実際のところ真理なんでしょう。


最後に

帰り際に、一応What Appでもう帰るよと一報を入れるとちょっと待ってとのこと。

どうやら最後にどうしても連れて行きたい場所があるとのことで、再会して連れて行ってくれたのはメインビルディングの屋上。

「本当だったらもっと綺麗に見えるのに」と言いながら、デリーの街の全貌を見せてくれました。


数学の強さで有名なインド人の中でも最も数学ができる人たちが集まるインド工科大学。全寮制の大学で、高い競争率をくぐり抜けた後もハードな勉強にさらされ続ける勤勉な学生たちを見ると、ここを卒業した学生が世界のIT企業でトップでリーダーシップを振るっている理由がよく分かる気がしました。






いいなと思ったら応援しよう!